これらの中でも特に注目したいものを森さんに尋ねると、やはり第1位の「アマランサス」だという。
「穀物として炊いて食べるだけでなく、ハンバーグに練り込んだり、お菓子の材料にしたりと用途が広いのも魅力で、『ポスト・キヌア』的な雑穀として期待できます。たんぱく質やミネラルがとても豊富ですし、日本人の食生活に馴染みが良いこともポイントです」
ここまで知れば通の域!?「隠し玉的スーパーフード」
最後に、「隠し玉的スーパーフード」を尋ねると、身近で馴染み深い食品が意外にもスーパーフードだったりすることがわかった。
「これまで紹介したものの他にも、アロエや生はちみつなど皆さんがご存知のような食品もスーパーフードに含まれます。さらに身近なところでいえば、納豆、味噌、甘酒、緑茶もそうですね。日本スーパーフード協会では、そんな和の食品を『ジャパニーズ・スーパーフード』として、世界に推奨しています」
■納豆
納豆菌は、プロバイオティクスと呼ばれる腸内環境を整える善玉菌の一つ。お腹の中から元気と綺麗を作ってくれる。
■味噌
大豆を発酵させているため、たんぱく質が吸収しやすい。味噌をはじめとした発酵食品は、世界でも長寿食としての研究が進められ、注目が高まっている。
■甘酒
米を発酵させているため糖質が吸収しやすく、江戸時代にはエネルギー飲料として親しまれた。砂糖代わりの甘味料としても使える。
■緑茶
ポリフェノールの一種であるカテキンには、老化防止、血圧や血糖値の上昇抑制、殺菌作用などの効果が挙げられる。海外では「日本女性がいつまでも若いのは日常的に緑茶を飲んでいるからだ」ともいわれている。
どうだろう。少しはスーパーフードを身近に感じていただけただろうか。以前はネット通販などでなければ入手困難だったスーパーフードだが、最近ではスーパーなどでも購入できる身近な存在になってきた。マーケット的に見ても、すっかり市民権を得たといえるだろう。既存メニュー・商品との相性を考えながら取り入れ、新たなウリの一つとして打ち出してみるのも面白いかもしれない。
取材協力・写真提供:一般社団法人 日本スーパーフード協会