コロナ禍でも売上20%増。業務用オーガニックティーが飲食店で好評な理由~大和

卸・メーカー2023.04.19

コロナ禍でも売上20%増。業務用オーガニックティーが飲食店で好評な理由~大和

2023.04.19

コロナ禍でも売上20%増。業務用オーガニックティーが飲食店で好評な理由~大和

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2001年の創業以来、一貫してオーガニックティーを専門に扱ってきた株式会社大和は、コロナ禍でも毎年20%売上を伸ばしている。百貨店などで消費者向けに有機茶葉を販売するほか、業務用では全国展開するハンバーガーチェーンや居酒屋チェーンと取引し、飲料メーカーのOEMや菓子メーカーへの原料提供も手掛けるなど、取引先は多岐にわたっている。

大手チェーンが同社のオーガニックティーを求める理由と、代表取締役社長 楠澤秀樹氏が飲食業界に投げかける提言について聞いた。

目次

オーガニックティー一筋20年

株式会社大和が取り扱う商品は、オーガニック製品を中心とした世界中のハーブティー、紅茶、中国茶、日本茶、コーヒーなど多数を揃えている。そのコンセプトを代表取締役の楠澤秀樹社長はこう話す。

株式会社大和
代表取締役社長 楠澤 秀樹 氏

「ティーやコーヒーは、1煎目にほとんどの栄養成分が出てくるのと同時に、農薬や添加物・香料なども出てしまいます。だからこそ当社は創業以来、オーガニックティーを取り扱ってきました。健康とそれに由来するおいしさの追及のために、安心してティーを楽しんでいただきたいという思いがあります」

創業当時は思うように売上が伸びず、オーガニックについての啓蒙的な営業が続いたというが、世間の健康や自然食に対する関心が高まり、2013年には「なごみナチュルア」というブランドを立ち上げるにいたった。

「特にここ数年は、ティー製品に関するOEM(受託製造)のお話をいただくことが非常に増えています。オーガニックで自社製品を開発したいという企業や店舗が多く、健康志向は定着してきたという印象です」

OEMの提携先は業種・業態を問わず、あらゆる分野に及んでいるという。

「大手の食品メーカーをはじめ、百貨店からの依頼や全国展開するハンバーガーチェーンにも商品を提供しています。飲食店やお菓子屋さん、理美容店やエステなどサロン系の業態からもご相談をいただいています。最近では駅ナカに入っている雑貨店チェーンにも当社のOEM商品が店頭に並べられています」

飲食店の要望に合わせたブレンド商品の提案や開発も同社では行っている。

「たとえば有機・無農薬料理を提供されているカフェから『ランチで提供している料理にどんなティーが合うのか』というご依頼をいただいて、当社の有機福禄麦茶や国産カフェインレス緑茶、国産カフェインレス玄米茶をご提案した実績があります。

また、ガレットやイタリア料理を提供しているレストラン様からのご要望には、有機ローズヒップブレンド、有機すこやかカモミールブレンド、オーガニックアールグレイ等をご提案しました。店舗コンセプトやメニューごとに何種類かの商品を提案しています」

コロナ禍による生活様式の変容も追い風に

数字でもその人気ぶりが表れている。

「今期の売上は未確定ですが、コロナ前と比べて20~30%増になる予想です。特にいまはカフェインレス商品が脚光を浴びていて、問い合わせベースでコロナ前の3倍に増えています」

まさに時流に乗った状況を呈しているが、その原因をどのように見ているのか。

カモミール農園

「やはりコロナの影響により、生活様式が変わったということでしょう。外食の機会が減って自宅での飲食が増えてくると、当然ノンアルコールのドリンクの需要も増えてきます。それまで主流だったミネラルウォーターや炭酸水では間に合わなくなり、ほかの飲み物を求めることになったのではないでしょうか。何度も口にするから体にいいものを、という消費者動向があるのだと考えています」

数あるオーガニックティーのなかで、「なごみナチュルア」のブランドが浸透してきた理由はどこにあるのか。

「こういう言い方は誤解を生むかもしれませんが、これまでお茶の販売は『営業力がすべて』という時期が長く続いていました。味よりもむしろブランドでお茶が売れてしまう傾向があったのです。あるいは値段で選ばれることが多い商品ジャンルでした。当社の商品は値段と質が伴っているのではないかと思っています。味はハイブランドに負けていませんし、値段はその半分から1/3ほどです。こういった点が評価されたと考えています」

鼻と舌を研ぎ澄まして、厳選された原材料を

高評価のもととなる、同社のブランドの最大の特徴とは何なのか。

「まずは、香料や甘味剤、着色料などの添加物を一切使っていないこと。そして、有機栽培や自然農法による原材料を厳選して使用していること。この2点に尽きます。

ローズヒップ農園

茶葉やコーヒー豆、ハーブ、あるいは韃靼(だったん)そばや黒豆など、当社で扱う原材料はもちろん農作物です。農場は、まず化学合成農薬、化学合成肥料・化学合成土壌改良剤を使わない農家さんを探しています。現在は国内10数社のほか、海外の農家から多数仕入れています。

同じ生産地、同じ農場であっても年や時期によってコンディションも変わります。そのため仕入れ先も多数用意しておかなくてはなりません。同じ仕入先からでも、仕入れてすぐに販売することはありません。官能試験で実際に味や香りを確認して、わずかでも違和感を覚えたら欠品にしてでも売り出すことはありません」

徹底的にこだわり抜く姿勢には脱帽するしかないが、それはそれで不便な点もあるという。

「国内でオーガニックの農家を探すのは、じつに困難なのです。いま農林水産省が『グリーン戦略』と銘打って有機農業を推進しはじめましたが、国内の有機栽培農家、なかでも茶葉の生産農家になると非常に限られています。手間がかかるしリスクも高い。その割に日本の市場でなかなか評価されないこともあって担い手が少ないのです。生産量が限られるので、一般流通に対応できるだけの量が確保できません。その反面、欧米は20年以上も前からオーガニックの評価が普及しています。当社ではオーガニックハーブを海外から輸入し、品質の管理に努めています」

オーガニックへの本物志向は定着したのか

オーガニックに関して日本はまだまだ後進国だといえそうだが、国内の消費者には、こうした原材料へのこだわりはどう映っているのか。

「消費者様からは『スーパーで並ぶお茶の中では際立っておいしい』『金額のわりにしっかりした香りがある』などの声をいただいています。レストランの方からも『食後のお茶が美味しかったようで、しつこくメーカーを聞かれた』などいってもらえることもあります。やはり商品力、味や香りが際立っていて、それでいて価格も抑えられているところを魅力と感じていただいていると思います」

中には「昨年より香りが高くなった。産地を変えたのか」などという質問が寄せられることもあるという。それだけ消費者の鼻も舌も肥え始めているということなのか。

「間違いなくその傾向はあると思います。かつてブランドと金額による差異化しかできなかったものが、いまは品質を追及される方が増えてきました。ご自身の感覚で良し悪しを見極められるお客様が増えているのは、お茶への志向がようやく本格化してきたとみていいのだと思います」

ノンアルコールドリンクでお客様満足度は向上する

株式会社大和では、オーガニック製品の製造・販売及び、フランチャイズでカフェを運営するほか、一般社団法人ティーウェリスト協会を受託運営しており、お茶やコーヒー、ハーブティーに関するスペシャリスト『ティーウェリスト』の育成に力を注いでいるという。

「全国各地の認定校・教室を拠点に、地域に根ざしたセミナーやイベント、人材育成をするほか、協会認定のティーウェリスト(一杯の美味しさと成分を引き出す知識と技能を持ったティーのスペシャリスト)は、食品・飲料メーカーの商品開発業務や飲食店のコンサルティングなどにも携わっています」

ティー関連商品のメーカーが、なぜそこまでやるのか。

「そもそも日本の外食産業では、ノンアルコールのドリンクへの関心が薄いのではないかと感じてきました。一流のフレンチから町の居酒屋にいたるまで、料理にこだわるのは当たり前として、それに対するワインや日本酒などのアルコールメニューにはこだわりを見せています。しかし、ソフトドリンクはおざなりです」

確かに、レストランでも居酒屋でも、ソフトドリンクといえばウーロン茶かコーラ、オレンジジュースが一般的。コーヒーや紅茶を出す店があっても、わざわざ飲みに行くほどの味ではないのかもしれない。

「それは大いなる機会損失だと思っています。その原因は、われわれティーメーカーの怠慢もあるでしょう。いまは取引先の飲食店には、商品のご案内とともに、業態やメニューごとに、食後のドリンクには何がおすすめか、お肉料理のあとにはどんなオーガニックティーがいいのか、魚料理のあとはどうか。そんな知識をお伝えしていくよう、営業の方針を変更しました。それによってオーガニックティーの味や香りを本当の意味で楽しんでもらえるはずです」

消費者のお茶への本格志向が定着し始めたとはいえ、飲食事業者への啓蒙は必要だ。同社と楠澤社長の心意気は、飲食事業者にどう届くのか。行く末が楽しみだ。

食品・飲料メーカーのSDGs取り組み事例

株式会社大和

設立:2013年(創業2001年)
本社所在地:東京都中央区日本橋堀留町1-10-19第一川端ビル6階
事業内容:オーガニックハーブティー、オーガニック紅茶、有機日本茶、オーガニックコーヒー、オーガニック中国茶の企画・輸入・製造販売など
公式ホームページ: https://nagomi-natulure.jp/

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