「食品加工工場などにご案内した際に、菌数を一定以下にした原料でなければ採用されないという問題が出ました。そこで技術部と相談して、酵素の効果をそのままに、菌数をゼロに近づけた業務用『LB(ローバクテリア)液体塩こうじ』を開発したんです。顧客ニーズに応じた商品提供を続けたことで、採用数はさらに広がっていきました」
こうして業務用の『液体塩こうじ』の採用は増えていき、2015年は売上が前年比1.5倍と大きく伸びた。
減塩タイプは、メーカーだけでなく外食のシェフからも高評価
ハナマルキの取り組みはまだまだ続く。
「2016年6月に、50%減塩タイプの業務用『やさしい液体塩こうじ』も発売しました。減塩意識の高い、病院食、介護食の領域を主なターゲットと考えていましたが、この減塩タイプは、レストランやホテルのシェフに大きな人気が出たんです。ある品評会で、シェフの方に塩分が立ちすぎるから減塩タイプを出すべきだというアドバイスを受け、さっそく使っていただきました。すると和、洋、中華どのシェフからも大変な好評をいただきました」
昨年はタイに海外初となる営業拠点“ハナマルキタイランド”を設立し、日本の小売業各社向けの鶏肉加工品を仕込む工場に対して、『液体塩こうじ』の拡販を図った。この成果もあり、2016年も前年度の伸び率と同程度で推移しているという。
日本古来の調味料を伝え続ける使命
着実に採用数を伸ばし続ける『液体塩こうじ』。平田さんは、今後の展望を以下のように語る。
「我々は開発やマーケティングを通して、『液体塩こうじ』を研究し、効果を伝え続けてきました。しかし、まだまだご存知ない方も多いので、これからも継続してPRに取り組んでいきます。日本にはまだこんな素晴らしい調味料があることを、国内外に広めていくことができる。大変やりがいがありますね」
日本伝統の調味料でありながら、その用途を広げてきた液体塩こうじ。ハナマルキの技術力と情熱こそ、食文化の発展を支える土台といっていいだろう。
ハナマルキ株式会社
本社事務所:〒103-8205 東京都中央区日本橋茅場町2-15-4
電話:03-5651-3131
事業内容:味噌醸造販売および加工食品製造販売
公式HP:http://www.hanamaruki.co.jp/
お話:マーケティング部兼広報宣伝室 平田 伸行氏