食品卸と店頭販売、FC事業で業績を伸ばし続ける
1965年、エンド商事は大阪府東大阪市にてスーパーを対象にした食品卸としてスタートした。折しも当時の日本は、東京オリンピックが終わり高度経済成長の真っ只中で、全国に飲食店を起こす新興の企業が増えていた。創業者の遠藤勉社長は仕入先が固定されてない新店をターゲットに、外食産業への業務用食品卸売へと事業内容をシフトさせていった。そして取扱商品が飛躍的に上昇した頃、新たな一手として業務用食品の店頭販売に着手していく。
「1973年、大阪東部市場(大阪市東住吉区)のすぐ傍に、業務用食品の販売店『C&Cエンド』1号店を開業しました。一般の消費者にも販売しており、当時はC&C方式を取り入れた事業として草分け的な存在でした」
C&Cとはキャッシュ&キャリー(現金支払・持ち帰り方式)のこと。現在は直営店8店舗、フランチャイズの加盟店12店舗になっている。事業が拡大して顧客が増える中で、現場もさまざまな工夫が必要になっていったと石川さんは語る。
「私が所属する管理部は、伝票や請求書の発行処理を伴う商品の受注業務や、取扱商品の情報管理、在庫管理などを担っています。また売上、仕入などの各種データを分析して、業務の効率化や各部署の生産性向上を考えるポジションでもあります。時代の流れとともに、効率化のカタチは変わってきました」
顧客第一主義の多様な受注方法で売上を向上
業務効率化のひとつとしてあげられるのが、インターネットを使った受注・発注業務のIT化だ。
「10数年前にあるお取引先様から、インターネットで好きな時間に発注したいというご要望をいただきました。これにお応えするために『BtoBプラットフォーム受発注』というシステムを導入したのです。そのお客様が便利になったことはもちろんですが、こちらも伝票の打ち込み作業が減っています」
石川さんによると、当時の受注業務は、営業時間外の深夜から早朝に届いたファックスについては、その内容をただ打ち込むだけで早朝出勤する状況だったという。また、システムを運用していくうちに、取引先の意識も変わっていったそうだ。