前年比150%の売上。業務用『液体塩こうじ』の快進撃~液体塩こうじ(ハナマルキ)

卸・メーカー2016.09.14

前年比150%の売上。業務用『液体塩こうじ』の快進撃~液体塩こうじ(ハナマルキ)

2016.09.14
サーモンの塩こうじマリネ

「社内で液体塩こうじを使った様々なメニューを作ったり、営業から製造、技術、マーケティング、管理など部門を横断したメンバーが議論する場も設けました。ここで分かったことが、塩こうじを液体にすることで、用途が大幅に広がり、食材によっては色が鮮やかになったり、艶が出るような効果もあることでした」

肉や魚に漬け込めば旨味が増して柔らかくなり、炊飯に使えば米の粒が立ち、スクランブルエッグなどの玉子料理に使えばツヤが出る。その他にも煮物や天ぷら、カルパッチョ、ポトフなど、和、洋、中を問わず、液体タイプの塩こうじは多くの料理や食材に手軽に使え、旨味を引き出せることが次々に分かってきたのだ。

「この調味料は、すごいポテンシャルを持っている。一過性の話題だけでは終わらない商品だと強く感じました」

飲食店、惣菜工場への売り込み

ハナマルキは2012年の家庭用『液体塩こうじ』販売後、業務用にも商品を展開していった。当初の課題は、使い方と効果を認知させていくことだったと平田さんは語る。

「一般的に塩こうじはドロドロしたものという固定観念が強く、顧客にとって液体タイプの塩こうじが“なんだかよく分からないもの”だったんです。説明しようとしても『液体塩こうじ』なんて知らないし、採用実績がないものは使えないと。そこでまずは、採用実績をつくることに全力を注ぎました。外食チェーン、給食、惣菜メーカーなど、とにかく当たっていきました。都心の飲食店に無作為に飛び込み営業も行いました。地道に説明していくしかなかったですね」

塩こうじのたまご焼き

また営業資料として、大手ホテルチェーンや有名レストランの料理長などに『液体塩こうじ』を使った料理を作って試食してもらい、その評価を載せたリーフレットを作成した。

「試食いただいたシェフからは、『肉、魚介類の熟成感や旨味の凝縮感が違う。それに計量しやすくて素材に馴染みやすい』と高く評価していただきました」

このような地道な営業努力で少しずつ売上を伸ばしていった『液体塩こうじ』だが、業務用として採用されるには大きな障壁があった。菌数制限だ。

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