「ローマ軒は飲み放題の料金を30分ごとに区切っています。長時間いると、他店と同程度の金額になってお得感がなくなりますから、お客様の滞在時間は、30分から1時間がほとんどです。自然にどんどん入れ替わり、席順待ちも少ないですね」
30分に1度スタッフが声をかけるので、客は帰るタイミングが分かりやすい。席を待つ客には「30分待てば空くだろう」という心理が働き、諦めて帰ってしまうといった機会ロスを防ぐ効果もある。
ローマ軒の回転率は平均すると昼に3~4回転、夜も3~4回転を維持し、1日およそ7~8回転。多い店舗では10回転するという。
またその回転率の良さがビールの味の維持に好影響だという。
「ビールは普通のお店の10倍くらいは出ると思います。ビールって入れた瞬間がいちばん美味しくて、注いだ瞬間から劣化していくんです。鮮度もかなり重要なのでビール樽の回転も多く、常に注ぎたてが飲めるうちの生ビールはおいしいという評価をいただけています」
店員を待つことなく、自分で自由にビールを注いで飲みたいというユーザーニーズを満たす。これが他店との差別化やリピート客の創出につながり、ローマ軒を繁盛店にしているといえそうだ。
会社がリスクを取り、FCオーナーに利益を還元しさらに拡大
今後はローマ軒のFCを50~100店舗まで増やし、ブラッシュアップさせたいという鮎川氏。一方で、年間1~2店舗は新業態を企画し、成功例を仕組み化してFCに組み込んでいきたいと語る。
「ローマ軒のように仕組みを作り上ることで、FCオーナーさんのリスクを最大限に削減したいと思っています。オーナーさんに成功していただきたいのです。『うちの近所に出してほしい』というお客様のご希望も多くいただいています。例えば東京でも、品川にあっても中野にはないの?とのお問い合わせもあります。やはり徒歩圏内でローマ軒巡りができるような、きめ細かい出店が向いていると思います。今後も9割くらいはFCでやっていきますよ」
飲食店に対するお客のニーズは様々だ。いまや安いだけでは売れないのも事実だろう。しかしやはり安くて美味しくてサービスも良い。という王道スタイルは繁盛店への近道といえる。今後もローマ軒は常に新しい業態やメニューでチャレンジを続けながら拡大していくに違いない。
ローマ軒(株式会社Belett)
住所:大阪市北区天神橋2丁目2番10号 ワイズビル6階
お話:企画開発部 部長 鮎川博氏
公式HP:http://yakispa-romaken.com/