ハイボール50円?常識の逆をいく原価戦略で他店を圧倒する怪物店~居酒屋それゆけ鶏ヤロー(遊ダイニングプロジェクト)

飲食・宿泊2019.04.26

ハイボール50円?常識の逆をいく原価戦略で他店を圧倒する怪物店~居酒屋それゆけ鶏ヤロー(遊ダイニングプロジェクト)

2019.04.26

「500円でも高いと、『なんか違う』と思われる。若者は敏感ですよ」学生街に多く出店しており、メインターゲットは大学生と20代。シビアな金銭感覚とコスパ世代のマーケティングを和田社長は熟知している。

売上構成比はドリンクを7割。それでも原価率30%をキープ

価格にシビアな若者をターゲットにした格安路線の飲食店は多いが、安さゆえ利益が出ず、赤字ギリギリの店もある。しかし鶏ヤローは違う。フードとドリンクの売上構成比を「3:7」と一般的な居酒屋の逆にすることで、原価率(※)を30%に抑えた高収益体質だ。

「一般的な飲食店の売上構成率は、フード7割:ドリンク3割。それぞれの原価率は50%と30%で、フードの原価率の方が高くなっています。鶏ヤローではこの比率を逆転させます。つまり売上構成率をフード3割(原価率20%):ドリンク7割(原価率50%)にすることで、トータルの原価率を30%抑えるのです」

(※)原価率・・・売上げに対して原価が占める割合のこと。飲食店の場合、提供するメニューの原価額(材料費など)÷販売価格×100で算出する。

激安なのに高収益の秘密は、常識の逆をいく「原価戦略」にある。ドリンクは原価が高いだけで赤字ではない。つまり杯数を稼げればいい。しかもそこは価格が安いのでおのずと売れる。

出数の少ないフードの原価率は20%まで抑える。さらに顧客満足度を下げないように、調味料は高いものにこだわって味付けするという。

「調味料の原価は、高いといっても食材とは使用量が違いますから、そこまで収益を圧迫しません。うちは客単価2,000円の市場で美味しいものを出したいから、原料よりむしろグレードの高い調味料にこだわります。安くても味つけを工夫すれば、お客さんに喜んでいただきやすいからです」

圧倒的な集客力、「宴会」需要を見逃さない

鶏ヤローの秘密は、ほかにもある。集客力や売上の目安となる「客単価2,000円」を維持するため、宴会ニーズを積極的に取り込んでいるのだ。

宴会プランは、2,000円で3時間飲み放題、フードが8品。和田社長によると、メイン顧客の大学生が店を決める際に重視するのは3つ「(1)金額(2)時間(3)品数」だ。幹事はこの3点を、スマホサイトで比較する。内装や雰囲気などは二の次、三の次だという。

つまり「金額と時間、品数」で他店を圧倒することさえできれば、学生の宴会需要を取り込めるというわけだ。こうして宴会を集客のうちの2割以上確保することで、「客単価2,000円」が実現する。


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