お客さまに覚えてもらうことが大切。店の名前はどうでもいい
鶏ヤローのドリンクは、とにかく安い。「ハイボール50円」を筆頭に、サワー・カクテル・焼酎など全品99円。飲み放題プランは3時間で2,000円。客は平均5~7杯を注文し、一般的な居酒屋の約2倍にのぼる。
「お客さんはみんな、うちの店を『あのハイボールの店』って言うんですよ」
「ハイボール50円」のキラーメニューが印象に残れば、「屋号なんてどうでもいい」とさえ言い切る。確かに安いが、他のメニューを高く設定してバランスを取っているかといえば、そうでもない。
客単価は2000円を「超えない」ように意識する
同店では、客単価を「2,000円」に設定している。当初出店した学生街で、客単価を2,000円に抑えると集客力が一気に上がることに気がついたからだ。
「お客さんは会計をすませたあと、なんとなく高かった、安かった、美味しかったという印象を覚えているんですよ。で、『なんとなく安くて美味しかったから』という理由でリピーターになる。その曖昧な感覚を左右するのが、客単価2,000円という数字です」
3,000円でも、2,500円でもない。低価格をうたう居酒屋で2,500円以上を支払うと、人は無意識に「高い」と感じるという。