“日本一おいしいミートソース”はどんぶりと箸のスタイルで、麺の下にミートソースを隠して提供。まず麺だけの美味しさを味わってもらった後は、ラーメンのように替え玉があったり、トマトスープを注いでスープパスタにしたりできる。もともと正統的なイタリアン業態「トスカーナ」で提供している看板メニューを、よりカジュアルな居酒屋〆メニューらしい楽しみ方にアレンジした。
一見、よくある大衆酒場のように見えても、しっかりしたイタリア料理の味を提供することで、「イタリアン酒場」であることを示している東京MEAT酒場。ハイボールなどで気軽にイタリアンが楽しめる、というコンセプトが認知されていくにつれ、客層にも変化が現れたという。
メニューになくても求められることには柔軟に対応
“おっさん酒場”と銘打ち、年配男性に気を遣わずイタリアンを楽しんでもらいたいというカジュアルな店づくりは、若い世代や女性客にも多いに受けた。多店舗展開するにつれ、出店エリアによっては女性の比率が6割を占める店舗もある。
「当初は男性客が短時間で回転するイメージでした。それが、店舗や地域によって差があり、女性のお客様や、グループでゆっくり過ごされる方が多い店もあります。そのため、地域の実情にあわせて、メニューはブラッシュアップを続けています」
店舗によっては、アルコール類も、ハイボールやホッピーだけでなく、チェロサワー(レモン・リキュールやオレンジ・リキュールなどのソーダ割)なども増やし、当初なかったイタリアンワインも客の要望を受けて提供するようになった。グループ客向けに、ピザや肉刺し盛り合わせ、スペアリブなどの取り分けられるようなメニューも用意されている。
「肉刺し盛り合わせはお客様の目の前でバーナーであぶって仕上げます。写真や動画にとりたくなるインパクトのある料理はSNSでの拡散につながりますし、何より記憶に残るので『またあれが食べたい』という再来店の目的になります」
取り分けられるメニューはボリュームもあり見た目のインパクトが大きい。客の要望があればハーフサイズで提供することもあるという。
「あとちょっと何かほしいけど、そんなにたくさん食べられないといった時の“もう一皿”を注文しやすいように、ご要望には柔軟に対応しています。パスタも、材料さえあれば、少しお時間はいただきますがメニューにないものでもご提供します。もともと弊社には料理人が多いので、そういった個別対応は全店舗で実施しています」
当初の想定していた、ひとりで短時間飲む客より、グループでゆっくり過ごす客が多くなり、客単価も2,500円から2,800円とあがっている。