企業概要とおもな業務について
【Q】人気の遊園地公式ホテルを運営されています。

事務部購買課 森美智男氏(以下、森氏):当社はグリーンランドのグループ企業で、遊園地と隣接した公式ホテル「ホテルヴェルデ」「ホテルブランカ」を運営しています。グリーンランドが運営するゴルフ場も併設しているので、お客様は遊園地やゴルフ、ビジネス利用の他、修学旅行の団体様など、時期によって様々です。
ジェットコースターの歓声やホテルにお戻りになるお客様の「今日は楽しかったね」といったお声を聞きながら仕事をすると、とてもやりがいを感じるんです。
【Q】仕入れ品の購買管理に課題があったそうですね。
原口由香里氏(以下、原口氏):仕入れ品の経理処理が、伝票を見ながらの手作業だったのです。まず、購買課が料飲、用度などの各部門から上がってきた手書きの注文書を見ながら、商品名や数量を1件ずつエクセルに打ち込みます。それを取引先ごとにまとめ、FAXで発注していました。その後、発注内容を会計ソフトに入力します。この作業に毎日2時間、多いときは3時間ほどかかっていました。

納品時は納品伝票を1枚ずつエクセルに入力します。納品漏れがないかの確認は、会計ソフトに入力した発注内容と納品書を照合してチェックしていました。納品間違いがあれば、取引先に電話して確認します。確認が終わった納品伝票はファイリングして、必要なときに内容の確認や価格の比較などに利用していました。
さらに、現場の納品伝票と仕入れ先からの請求金額をチェックするエクセルを別に作成して管理していました。
森氏:毎月の棚卸では、各部門から前月残、当月残の書類を回収して、エクセルに入力して当月の消費高を計算します。エクセルをいくつも開くような状況で、その作業に1~2日潰れることもありました。
仕入れ金額照合・棚卸の手間をITツールで解決
【Q】業務の改善を意識したきっかけは何でしたか?

原口氏:日々の業務時間の多くを発注書のまとめや入力、伝票探し、ファイリングなどに費やしていました。伝票は机上に30㎝も溜まっていたのです。
それを見た社長から「まだそんなことしてるの?」と指摘されたのがきっかけでした。ちょうど社内の随所でDX化を進めていたタイミングだったので、購買課も取り組むことにしたのです。
森氏:システムの導入に向けて様々なサービスを検討し、2024年2月にインフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』を採用しました。使用している企業が多いことが最大の決め手です。また、導入を検討していた当時はインボイス制度がはじまる頃だったこともあり、使い勝手の良さと法令対応の確実性の点でインフォマートが優れていると判断したのです。
原口氏:導入当初、一部のスタッフが慣れるまでに時間がかかりました。宿泊業界ではよくあると思いますが、当社でも厨房などのスタッフは平均年齢が高く、パソコンやスマホに苦手意識があるのです。そのため、まずはスマホやタブレットに慣れている若手が操作を覚えて、他の従業員に教えていくことにしたのです。こうして大きな混乱も問題もなく浸透していきました。
各業務での様々な導入効果
【Q】IT導入の効果はありましたか?

原口氏:大きな効果がありました。まずは各部門の担当者がダイレクトに発注できるようになったことで、購買課が手書きの注文書をまとめて、エクセルに入力して、FAX送信して、ファイリングする作業がなくなったのです。
注文内容を確認したい時は、『BtoBプラットフォーム 受発注』画面上の「取引カレンダー」機能で簡単にできるので、30㎝もの厚さがあった伝票の中から目的の1枚を探す作業もなくなりました。いまでは紙はほぼ使っていません。日々2~3時間かけていた業務が9割以上削減できたのです。
森氏:棚卸機能による毎月の棚卸の時短効果も明らかです。それまでは、各現場が紙の棚卸表に残数を書いて、購買課がまとめてエクセルに入力していたのです。これが、現場がシステム上で直接棚卸データを入力できるようになったので、購買課での表の回収や入力作業がなくなりました。
購買課では洗剤など消耗品のある倉庫の棚卸もありますが、納品された商品の数と実際の物品との数合わせだけですので楽になりました。
【Q】請求書の管理作業はいかがですか?

原口氏:これまで請求金額と会計システムの金額が合わなければ、どの部門の、いつの、どの商品の金額が合わないのか伝票を一枚一枚めくりながら確認する必要がありました。『BtoBプラットフォーム 受発注』を使った受発注では、納品数量や金額に変更があればすぐシステム上に反映されるので、金額が合わないことはありません。
森氏:請求書を確認して月次の決算資料をまとめる作業も時間短縮できました。これまでは、仕入れ先には毎月4日までに郵送かFAXで請求書を送っていただくことにしていて、いつも催促の電話をしていました。
インフォマートの受発注システムを使っている仕入先については、画面上で即座に正確に請求金額を確認できるようになったのです。請求書のフォーマットが統一されたので、ばらばらな形式を読み解く負担もなくなりました。
原口氏:会計ソフトへの入力作業も解消しました。インフォマートの会計連携機能で自動仕訳された請求情報をCSV出力して、当社の会計ソフトへアップロードするだけなので、入力時間はもちろん入力ミスもなくなったことは最大のメリットといえます。
仕訳は、商品ごとに勘定科目を設定することで、会計ソフトに反映させています。導入時に4000品目以上の商品一つ一つに勘定科目を設定するのは骨が折れましたが、それをはるかに上回るほどの毎月の作業削減に大きく影響しています。
DX化の今後の展望について
【Q】システム利用で得られた時間は、どう活かしていきますか?
原口氏:すでに時短効果の活用は進んでいます。私の業務の多くが効率化できたので、森さんの担当していた仕事の一部を私の方に移管しました。
森氏:そのぶん、私はお客様送迎の管理業務を担当するようになりました。当社が保有しているマイクロバスを効率的に運用するための管理業務です。
今回のインフォマート導入を皮切りに、宴会業務のシステム化、社内決裁のシステム化など、購買以外のセクションを取り込んでペーパーレス化、データ化、情報共有していきたいと思っています。システム導入で実感した業務の迅速化を、多岐にわたって利用し、DXを進めていきます。
有明リゾートシティ株式会社
本社所在地:熊本県荒尾市本井手1558
設立:1990年6月
公式ホームページ:https://greenland.co.jp/hotels/verde/