1日100食以上。人気の弁当メニューを業態に
2011年に東京・高田馬場でオープンした「スパイシーフライヤーズ」。始めは唐揚げのテイクアウト専門店として、わずか4坪しかない店舗からのスタートだったという。しかし唐揚げの誕生はそのさらに前に遡る。
「私はもともと学生時代から独立志向が強く、大学卒業後すぐに原宿で弁当屋を始めました。その店で1日200食くらい弁当が売れているなかで、100食以上を売り上げていたのが唐揚げ弁当だったのです。その時の、スパイスをふんだんに使った私のオリジナル唐揚げが、後のセクシーカラアゲの原型となっています」
カルダモン、シナモン、コリアンダー、ターメリックなど13種類のスパイスが村田氏の独自の手法でブレンドされている。ここで湧き上がる疑問がある。それは、“なぜ、唐揚げがセクシーなのか?”である。
「日本でスパイスというと日常の料理ではあまり馴染みが無いかもしれませんが、漢方のカテゴリーでは意外と身近な存在です。13種類のスパイスミックスは、脂肪分解作用や消化促進、毛細血管を丈夫にしてシワやシミなどの老化防止など、様々な効能を期待できます。スパイスを採って身体の内側からキレイになろう!という想いを『セクシーカラアゲ』というメニュー名に込めています」
パンチのあるネーミングと美味しくて身体にもいいという明確なメニューのコンセプトが生まれたことで、高い付加価値が生まれた。いまや唐揚げといえば安値メニューの代表のようになっているが、スパイシーフライヤーズの『セクシーカラアゲ』は一皿490円。盛り合わせの『アゲノミックス』が880円と、安値合戦に加わらずに済んでいるところが、大きな強みといえそうだ。