「スパイシーフライヤーズ」はテイクアウト専門ながらすぐに人が集まる店となり、急遽4坪の店舗にイートインスペースが設けられ、人が溢れた。そして2013年、店舗の物件の都合により恵比寿へ移転。さらなるニーズに応えるため、メニュー数やドリンクメニューも加えた唐揚げバルとして進化を遂げて再スタートを切った。
駅から遠くても、集客できる
スパイシーフライヤーズ恵比寿店は駅から徒歩5分。2017年にオープンした中目黒高架下店も駅から徒歩10分と、どちらも駅前ではなく少し離れた場所に店を構えている。もちろん家賃の安さもあるが、それ以上に立地に合わせて、2軒目利用のお客さんをメインターゲットに据えた業態作りをしているという。
「まず営業時間を変えています。2軒目、3軒目として利用されるお客様が多いということは、遅い時間帯に強いほうがいいわけです。そのため営業時間は深夜4時までとしています。他店と差別化という意味でもとにかく開いていて良かったという使い勝手のいい店を目指しています。
もともとテイクアウト専門店だった頃とは、売り上げ構成比も大きく変わっています。ドリンクメニューも充実させたため、今のところの売上げ比率は7:3でドリンクの方が多いですね。そう考えるとメニュー数を増やした今も、全体的にごはんというより、おつまみとしての需要の方が高いわけです」
ドリンクメニューの単価はハイボールで490円、焼酎650円~と決して安くはない。しかし酔えればいいという価格帯でないことが、大人達を集めるフィルターとなり、駅からの遠さや隠れ家的もあいまって、お客さんの居心地の良い雰囲気づくりに繋がっているのでは、と村田氏は分析する。
恵比寿という土地柄、はじめは、チョイ飲み利用のお客様や、一見さんが多いと予想していたのですが、むしろ逆でしたね。いまはお客様同士も顔見知りの方が多いです。お客様の層も若い人はそんなにいないです。メインは20代後半からでしょうか。やはり駅から遠いのもあるし、お客様の層も落ち着いた雰囲気の方が多いですね」
ちなみ男女比は同じくらいか、男性の方がやや多い。しかしセクシーカラアゲを頼むのは圧倒的に女性の方が多いそうだ。