【Q】2017年は東京初進出、居酒屋甲子園理事長就任と躍進の一年でした。 まず東京初出店となった「ターブル・オー・トロワ」について教えてください
ターブル・オー・トロワは6次産業化ファンドの出資で、2016年12月に東京にオープンしました。筆頭株主は地元滋賀の鮎養殖業者さん、それと米農家さんです。滋賀食材をより多くの人に知ってもらおう、地元ブランドの付加価値をあげていこうという趣旨のもと、弊社が飲食店運営のノウハウを提供しています。
弊社はもともと「旬菜酒場 菜でしこ」「魚丸」といった業態を滋賀県内で展開していましたが、滋賀食材を知らない人にも、もっと広めて「知らなかった、はじめて食べた!」と喜んでいただきたくて始めました。
ただ、地方の食材を売りにする、いわゆる「ご当地居酒屋」のような業態は、すでに東京にたくさんありますよね。ですから、あえてご当地感を出すようにはしていません。
それよりも商品クオリティとサービス力、スタッフが作り出す空気感、内装空間といったトータルで満足していただいて、帰り際に食べていただいたメニューから「ここのシェフたぶん滋賀出身だね」くらいの印象が残るように演出しています。最終的に「滋賀っていい食材がたくさんあるんだ」「今度滋賀に行ってみようか」というところまで、気持ちを動かすことができたら、ゴールだと考えています。
【Q】滋賀の食材にこだわる理由なんですか?
昔から地元の生産者さんたちに貢献したいという思いがありました。というのも僕が最初に就職したのが農協だったので、生産者さんが出荷するとき、自分で商品の価格や販売先を決めることができなかったり、現場でも「手取りが少ない」と訴えられたりというのを目の当たりにしてきたからです。