産直系の店を展開したことで産地からいい食材が集まるようになりました。せっかくいい食材があるわけですから、管理と物流の効率を考えて、都心を中心に産直飲食街の周りに、産直の総合系居酒屋やカジュアルダイニングなどをドミナント展開しています。
【Q】いま私たちが乗っている「御座船 安宅丸」も新たな事業ですね

私は前からずっと屋形船での飲食事業をやりたかったんですよ。横浜や神戸には港町文化が栄えていて、船でのディナーも普通にできます。でも、東京にはその文化がないなあと。縁あって、安宅丸での飲食事業を運営させていただくことになりました。今後、さらにブラッシュアップして、普通の居酒屋のように気軽に乗れて、イベントや結婚式の1.5次会などにも使える面白い船にしてきます。
増え続けていた食材管理、でも業態の〝魅力〟は削りたくない
【Q】業態が増えると、その分、管理が大変になります

私の考えでは、効率良くできるところを、できるだけ効率良くしたいと思っています。ただ、効率のみを求めすぎると、例えばABC分析を見て売れないメニューを削除しようとか、あの産地の食材は高いから取引をやめようとか考えてしまいがちです。
でも、せっかくいい食材があるのに取引をやめてしまったら、今度は店としての魅力がなくなります。売れないメニューがあるからこそ、売れるメニューがあるわけです。売れなくても価値のある商品であれば、店に置いておかなければいけません。
とはいっても食材に関しては、産直業態を始めてから新しい食材や産地がどんどん増えています。いま、備品なども含めてですが、24業態で取扱いアイテム数は9000品、メニュー数だけで1店舗で200点を超える店もあり、その分の食材ですから、とにかくものすごい量です。

私としては、お店のスタッフには100%の力でお客様の方を向いて欲しい。働く店の雰囲気が好きだったり、接客が好きだったり、料理を追求したいと思って働いてくれているスタッフに伝票管理とか費用の計算のような仕事をお願いすると、目が段々と曇ってくるんです。事務処理の仕事に縛られるのが嫌なんですね。それでいずれは辞めてしまう。
アナログの良さを最大化することがシステム化の目的
【Q】スタッフの方に輝いてもらうため、何をされましたか?
店のスタッフがやりたいことにもっと注力できるようにと、まずはシステム化によって発注のやり取りと伝票受領する手間や確認の作業を省力化するために、2013年にインフォマートさんの『BtoBプラットフォーム受発注』を導入しました。