さらにシステムの導入による効率化は伝票のチェックだけでなく、取引状況の把握にも及んでいるという。
「年間の取引金額が大きい商品の価格交渉をしたいと思った時、まずはその商品の取引状況を調べます。これまでは伝票ごとにエクセルで管理していたので、商品、納品先店舗、取引先などの条件を変えて価格や数量を集計しなおすことが非効率的になっていました。それが今では、システムを使って非常にスムースに集計できるようになったのです。これは本当に便利ですよね。その結果、これまで伝票集計に追われていた担当者が、本来の業務に専念できるようになりました。仕事の質が大きく変化したと思います」
今後は人材育成に一層注力
最後に、今後の飲食事業の発展において、何が重要になるかを中澤社長に伺った。
「少子高齢化、単身化などと言われていますが、飲食業は極めて根源的な生活の部分に根差していますので、私自身は、需要はそれほど増えたり減ったりしないのではと思っています。むしろ形を変えて新たな需要が生まれます。ここ数十年の間にいろいろな形の居酒屋やファストフード店が出てきましたが、少しずつ淘汰されて、新しい物に置き換わっています。我々はこうした需要を見つけ、受け止められる業種、業態を作る必要があります。そのためにはやはり、人材育成が重要です。斬新な発想を持ち、店のコンセプト決めからメニューや盛り付けなどの細部に至るまでプロデュースできる若い力を育てていきたいと考えています」