未経験から決心した飲食業界での「起業」
【Q】飲食業を始めたきっかけは何でしょうか。
美大を卒業後に就職してから、20代のうちに転職を9回経験しました。ところが30歳を目前にして、漠然とこのままでいいのかと思うようになったんです。そもそも性格的に会社勤めが向いていないのは自分で分かっていたので、悩んだ挙句に出した答えが『起業』だったんです。
ただ、何をするかは決めていなくて、ましてや飲食業の経験もなかったので、飲食店をやろうなんて思ってもいませんでした。それでもとにかくお金だけは貯めておこうと、30歳からの3年間で500万円を貯めました。そうやって物欲を我慢してみたら、それまで好きだった洋服やアクセサリー、クルマや旅行といったものが、私の人生においては単なる付属品だと思えたんです。
でも、ひとつだけ我慢できないことがありました。それが、好きな人たちと飲みに行ったり、美味しいものを食べに行ったりすることでした。これこそが自分が本当に好きなことなんだと気付いて、飲食店をやろうと決めました。
【Q】1店舗目から2階の物件を選んだのはなぜでしょう。
まずはお金の問題ですね。私も最初の頃は飲食店をやるなら1階でと考えていました。でも、貯金した500万円と銀行から借り入れた500万円を合わせた1,000万円で、内装工事など諸々を考えたら1階の物件は到底無理だと気づいたんです。