鶴雅グループ、仕入れのIT管理で請求書・納品書の金額照合を30分で完了。サービス向上の環境を整える

飲食・宿泊2024.12.26

鶴雅グループ、仕入れのIT管理で請求書・納品書の金額照合を30分で完了。サービス向上の環境を整える

2024.12.26

鶴雅グループ、仕入れのIT管理で請求書・納品書の金額照合を30分で完了。サービス向上の環境を整える

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北海道阿寒湖温泉を拠点として、道内各地に14の温泉旅館と1軒のレストランを運営する鶴雅グループ。2025年に創業70周年を迎える老舗のリゾートホテル企業となる。

各館の調理や用度部門が仕入れる食材・アメニティなどの経理業務を本部に集約するため、発注方法を電話・FAXからインターネットを使った受発注システムに統一。現場の経理作業の負担を減らしつつ本部による正確で効率的な運営をしている。

目次

北海道の大自然を活かした旅館で最上のおもてなしを提供

【Q】鶴雅グループの特徴を教えてください。

鶴雅リゾート株式会社 購買事業部 部長 菅野 隆 氏
鶴雅リゾート株式会社
購買事業部 部長 菅野 隆 氏

鶴雅リゾート株式会社 購買事業部 部長 菅野 隆 氏(以下同):当社は北海道各地の国立・国定公園内に14の温泉旅館と、札幌に1軒のビュッフェレストランを運営しています。北海道には豊かな自然と文化、歴史があります。この郷土力を活かした宿づくりで、2023年度JTBサービス最優秀旅館・ホテルの北海道エリア大規模・旅館部門で1位に選出いただきました。2025年は創業70周年を迎え、ますます多くのお客様にお喜びいただけるよう満足以上のおもてなしを目指しています。

【Q】よいサービスを継続する秘訣は何でしょう?

鶴雅リゾート株式会社「あかん遊久の里 鶴雅」外観

お客様のニーズは多様化しています。例えば日本酒でも大吟醸や純米酒など何種類も取り揃えたり、お客様によっては食物アレルギーの対応も必要になったりします。様々なご要望にお応えするには、従業員がお客様対応に集中できる環境と、長く働き続けられる環境を整備する必要があります。

 

「あかん遊久の里 鶴雅」フロント・ロビー

多くの業界が人手不足ですが、宿泊業界は特に深刻です。さらに当グループのようにリゾート地に旅館を構えるところは、募集をかけても応募が来にくいのです。このため、人手をかける必要のない作業、たとえば床清掃は掃除ロボットに、仕入品の納品伝票や請求書の照合作業は受発注システムに任せるなどして、現場がお客様対応に集中できる環境を整備する必要があります。

システムによる環境整備は現場だけでなく管理本部にも効果的です。調理や用度の部門では日々大量の仕入れを行っていますが、仕入先ごとのFAX用紙への注文記載、送信、納品伝票の整理をする手間に加えて、管理本部では膨大な請求書をチェックする工数も大きいのです。システムを導入する以前は各現場がFAXや電話など個別の方法で発注していました。本部ではその仕入れ品が本当に必要なものなのか、何をいくらでいつ誰がどこから仕入れたのか、過剰発注や発注ミスがないか確認するのが大変でした。さらに当社の締め日は25日ですが、仕入先によっては末日になっていて、請求書の計上月や当社に郵送される日がバラバラでした。

こういった現場任せの仕入れをしていたことで、請求管理をする管理本部では請求書と納品書の金額照合や会計ソフトへの入力作業に毎月夜中までかかっていたのです。各館の現場ごとに経理購買に精通した責任者を置くのがむずかしい問題もあります。このため、システムを入れて統一的なルールを敷き、現場に負担をかけず少人数でも運営できる体制づくりに努めてきました。

発注方法をシステム化し、現場・管理本部の負担を削減

【Q】仕入れ方法のシステム化でどのような効果がありましたか?

2015年にインフォマートの『BtoBプラットフォーム受発注』を導入し、仕入先の9割以上にインターネットを使ったシステムでの受発注に切り替えていただきました。これまでのFAXや電話による発注で起きていた納品伝票と請求書確認の一連の手間が大幅に短縮され、ミスもなくなりました。仕入先ごとにバラバラだった締め日などのルールが統一でき、夜中までかかっていた月次の締め作業は、30分~1時間で終わるようになりました。パソコン画面上のやり取りで発注から請求締めまで完了しますし、仕入れのトラブルがあればすぐに画面から発注履歴を確認できるので、当社と仕入先双方の手間が省けています。

【Q】アレルギー対応はどのようにされていますか?

「あかん遊久の里 鶴雅」ビュッフェ

2023年に『BtoBプラットフォーム規格書』を導入し、ビュッフェの各メニューにアレルギーを表示した立て札を置いています。ホテルや旅館には食物アレルギーへのしっかりした対応が求められますから、正確な表示は欠かせません。
 

 

「あかん遊久の里 鶴雅」ビュッフェメニュー例

アレルギー表示は調理部門が率先して、仕入先に食品の商品規格書※を提出していただいています。システムを使うことでアレルギー原材料の確認が容易になり、お客様に安心して食事をお楽しみいただいています。
※商品規格書:食品のアレルギーや原料原産地情報などを記載した仕様書

ホテル・旅館のシステム化は経営に大きなメリット

【Q】旅館業界がIT化を進める利点について、教えてください。

仕入れ業務は裏方の話だと思われがちですが、旅館経営には非常に重要なファクターを担っています。『BtoBプラットフォーム受発注』によるシステム化で、仕入れの一連の流れが明確かつ明瞭に、簡潔になったのは大きなメリットでした。

ホテルや旅館業界では、人手不足や従業員の定着率の低さが長く課題になっています。たとえ少ない人数でも効率的で高品質な運営を叶えるには、ITを使った業務負担の削減は必須です。使いはじめは大変かもしれませんが、当社もインフォマートのシステムによって手間暇が大きく軽減されましたし、経理の精度も向上しました。本部による一元管理が可能になり、人的リソースも節約できるので、システム化は会社の経営に大きな効果があります。今後もIT化でバックヤードの業務を削減し、本来私たちが率先してやるべきおもてなしに注力していきたいです。

鶴雅リゾート株式会社

所在地:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-6-10
創立:1955年3月
代表者:代表取締役社長 大西雅之
公式ホームページ:https://www.tsurugagroup.com

 

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