▼「個別表示」と「一括表示」について
アレルギー表示には、表示例Aのように原材料ごとにアレルゲンを書く「個別表示」と、Bのように最後にまとめて記載する「一括表示」があり、旧基準ではどちらでもよいとされてきましたが、新基準では、個別表示が原則となりました。一括表示については「例外的に一括表示を可能とする」とされています。
<アレルギー表示の例>
新基準の策定段階でアレルギー表示方法を検討する際に、様々なアレルギー患者団体のヒアリングが行なわれました。その中で「どの原材料にどのアレルゲンが入っているのか知りたい」という意見が多く寄せられ、個別表示が原則となりました。しかし、表示方法を検討していく中で、繰り返し出てくるアレルギー物質名をすべて書くと膨大な量になるケースがあることがわかりました。そこで、個別表示の場合は、繰り返しでてくるアレルギー物質(2回目以降)は、これまで通り省略が可能となりました。
しかし、そうなると「原材料のどこになんのアレルギー物質が入っているのか細かく知りたい」という、アレルギー患者の方のニーズは満たされなくなり、個別表示を原則とする意味がどこにあるのかという意見もあります。
一方、一括表示の場合は、繰り返し出てくるアレルゲンの省略は不可能となりました。「小麦」「卵」など原材料名そのものがアレルゲンに当たる場合や代替表記で表示されているものは、これまでは(原材料の一部に〇・〇を含む)という記載方法でしたが、最後にあらためて(一部に小麦・卵・〇・○を含む)とアレルゲンを記載しなければいけません。
商品によっては、一括表示の方がアレルゲン患者さんに確実に情報が伝わるものもあるでしょう。
▼「原材料」と「添加物」について
「③表示レイアウトの改善」で解説したように、新基準では原材料と添加物の間に明確に区分をつけて表示することが義務づけられています。
<アレルギー表示の例>
表示例C、Dのように、添加物の事項を立てて表示する場合、添加物欄における表示方法が変わってきます。原材料にアレルゲンが含まれる場合は「○○を含む」、添加物に含まれる場合は「○○由来」と記載するのが原則ですが、一括表示では「〇〇由来」ではなく、ケースに応じて「一部に〇〇を含む」となります。