旅館・ホテル事業者が申請できる補助金・助成金(2024年版)

業界ニュース2024.05.23

旅館・ホテル事業者が申請できる補助金・助成金(2024年版)

2024.05.23

旅館・ホテル事業者が申請できる補助金・助成金(2024年版)

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旅館やホテルの経営には、設備投資や人材育成、広告宣伝などさまざまなコストがかかる。最近では政府がDXを推進していることもあり、新たなシステム導入を考えている経営者も多いだろう。また、インバウンド対策のために予算を組む旅館やホテルもあるだろう。

これら設備投資やシステム導入などには費用がかかるが、国や地方自治体の補助金・助成金を活用することで、事業の拡大や改善に必要な資金を補える。中には億単位の補助金もあるため、今までできなかった活動にも挑戦できるようになるだろう。

本記事では、補助金と助成金の違いや、2024年度に申請できるものを紹介する。

目次

2024年4月現在で旅館・ホテル事業者が申請できる補助金・助成金

2024年4月時点で、旅館やホテル事業者が申請できる主な補助金・助成金を解説する。

IT導入補助金

IT導入補助金とは、ITツールを導入する事業者や組織に対して支給される補助金のこと。補助金には、以下の5つの枠がある。

補助率・補助額 申請期限
通常枠 1/2以内、最大450万円以下 4次締切分:2024年6月19日 (水) 
5次締切分:2024年7月19日 (金)
インボイス枠
(インボイス対応類型)

インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト 
2/3以内、最大350万円以下

PC・ハードウェア等
1/2以内、最大20万円以下

6次締切分:2024年6月3日 (月) 
7次締切分:2024年6月19日 (水)
8次締切分:2024年7月3日 (水)
9次締切分:2024年7月19日 (金)
インボイス枠
(電子取引類型)

中小・小規模事業者
2/3以内、最大350万円以下

その他事業者等
1/2以内、最大350万円以下

4次締切分:2024年6月19日 (水)
5次締切分:2024年7月19日 (金)
セキュリティ対策推進枠 1/2以内、最大100万円以下 4次締切分:2024年6月19日 (水)
5次締切分:2024年7月19日 (金)
複数社連携IT導入枠   2次締切分:2024年6月19日 (水)

該当する枠において申請を行う。通常枠のほかインボイス対応類型のふたつに対応した受発注システム請求書システムがあるので、検討するといいだろう。温泉旅館やリゾートホテル、シティホテルなど多数の事業者がIT導入補助金を活用し、経理業務の省力化・時短化を図った例がある。

参考:IT導入補助金2024公式サイト
参考:ITツール活用事例

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、アフターコロナに対応するために成立した、新分野展開や業態転換など、事業を再構築する企業を支援する補助金のこと。補助金には、成長枠、グリーン成長枠、大規模賃金引上推進枠などさまざまな枠がある。2024年度は、見直しを行ったうえで公募を再開する予定だ。

補助額 最大1億5000万円
補助率 最大3/4
受付期間 未定

事業再構築補助金を活用した事例として、熊本県で「アマクササンタカミングホテル」を運営している株式会社レッドハピネスがワーケーション用の宿泊施設を新たに整備し、その需要による新たな顧客の獲得を図った例がある。

参考:事業再構築補助金公式サイト
参考:「事業再構築補助金」採択・支援事例のご紹介

業務改善助成金

業務改善助成金とは、中小企業や小規模事業者の生産性向上に貢献する設備投資、事業場内の最低賃金を引き上げるための助成金のこと。対象となるのは以下の通り。

●    中小企業・小規模事業者であること
●    事業場内の最低賃金と地域別最低賃金の差が50円以内
●    解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと

旅館やホテルでは、POSレジシステム、パソコン、タブレットなどの端末や周辺機器の導入に活用できる。

補助額 最大600万円
補助率 最大4/5
受付期間 ~2024年3月31日

業務改善助成金を活用した事例として、三重県で宿泊業を営んでいる企業がキッチン業務の効率を上げる機器とQRコードオーダーシステムの導入により業務効率化を図った事例がある。

参考:厚生労働省「業務改善助成金
参考:厚生労働省「業務改善助成金の活用事例

雇用調整助成金

経済的な理由で事業活動を縮小せざるを得ない事業主が、雇用を維持するために必要な休業、教育訓練、出向にかかる費用を助成する制度。雇用保険の適用事業主であること、事業活動を示す指標について、最近3ヵ月の月平均が前年度同期に比べて10%減少していることなど、受給要件が設定されている。

助成額 1人1日あたり8,490円が上限
1年間に最大100日、3年の間に最大150日分支給可能
助成率 最大2/3
受付期間 随時

参考:厚生労働省「雇用調整助成金

補助金・助成金の違いとは

補助金・助成金は、共に、国や地方自治体から事業者に支給されるお金のことを指す。補助金や助成金を利用すれば、経営の維持や事業拡大のチャンスが得られる。ここでは、補助金や助成金に関する概要や違いについて詳しく解説する。

補助金とは

補助金とは、事業者の事業拡大、研究開発、設備投資などの活動を支援するために支給される返済不要な資金のこと。新規事業の支援や地域振興などが補助金の目的で、経済産業省や地方自治体が管轄することが多い。申請書を提出して受け取れるものだが、場合によって面接が必要になるケースもある。また、補助金の支給は後払いのため、自己資金で補助対象の事業を実施し、後から清算して受け取ることになる。

助成金とは

助成金とは、事業者の雇用促進、労働環境改善、人材育成などの活動を支援するために支給される返済不要な資金のこと。労働環境の安定が助成金の目的で、厚生労働省が管轄することが多い。助成金は一定の条件を満たせばほぼ支給されるものが多い。また、複数の申請をして助成金を受け取ることも可能だ。補助金と同じく、助成金も後払いとなる。

補助金・助成金について

補助金と助成金では、給付金の使途や目的が異なる。また、助成金はほぼ100%受給されるのに対し、補助金は定められた要件を満たすのはもちろん、審査で採択されなければ支給されることはない。助成金の支給額は数十万円~数百万円なのに対し、補助金は数百万~数十億円と高額だ。また、助成金は通年で公募されているものが多いが、補助金は一定期間のみで公募期間が短い傾向がある。

補助金・助成金の申請から受給までの流れ

補助金・助成金共に、同じような流れで申請を行う。

  1. 実施計画の申請
  2. 採択
  3. 計画の実施
  4. 支給申請
  5. 受給

採択とは、審査を経て補助金の交付を受給できる事業者を選ぶことを指す。助成金は申請すればほぼ受給されるため、2の工程はない。

補助金・助成金を受けるには、計画性が重要

補助金や助成金を活用することによって、ITツールの導入や人材確保・育成、設備投資など、今まで費用がネックになり挑戦できなかった活動に挑戦できる。補助金や助成金を申請する際は、契約している社労士や会計士などに相談するといいだろう。

ただし、審査書類の用意や申請から支給まで1年以上かかることもあるため、綿密なスケジュール調整が欠かせない。助成金や補助金を受ける対象となる活動や申請の要件はそれぞれ異なるため、自社に必要なものを選び、申請しよう。

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