『発注書AI-OCR』導入の背景
株式会社大潟村あきたこまち生産者協会は、あきたこまちの生育に適した大潟村で米の栽培や加工品の開発・製造をしています。商品のおいしさと安全安心のため、トレーサビリティの確立や専門スタッフによる細菌検査や食味値、水分などの各種分析測定を行い、自社工場ではISO14001、ISO22000を取得しました。
業務の課題はFAX発注書の受注処理で、取引先や商品の特定、販売管理システムへの入力に多くの時間を要していました。得意先専用書式のFAX発注書は1日100件以上、月間約2500枚、繫忙期には1日130件以上、月間約3000枚を受注処理しています。
販売管理システムへの入力では、受注担当者3名がFAX発注書に記載されている電話番号やFAX番号をもとに顧客を確定した後、商品名から商品コードを検索し販売管理システムへ入力します。似た商品名が多いうえPB商品やOEM商品もあり、時間がかかり負担となっていました。顧客コード、商品コードの入力は担当者の経験則に基づいて作業するため属人的になり、慣れていない担当者では特に時間がかかるうえ、間違えてはいけないという心理的な負担も発生していました。
これらの状況から、受注業務の効率化を目的にインフォマートが提供するFAX発注書の読み取りサービス『発注書AI-OCR(invox)』を2023年7月に導入しました。
大潟村あきたこまち生産者協会ご担当者コメント
元々、当社はインフォマートの『BtoBプラットフォーム受発注』を利用しています。『発注書AI-OCR(invox)』はBtoBプラットフォーム受発注のオプション機能のため、普段から使っており操作に慣れている分、すぐに使えるところも他社と比較してよかった点です。BtoBプラットフォーム受発注は販売管理システムとの連携もできているため、『発注書AI-OCR(invox)』は新たな開発費用や手間もかからずに販売管理システムとも連携できることが導入の決め手でした。
また、得意先書式のFAX発注書には当社が決めた商品名や商品コードは記載されていません。そのため、商品数が多い取引先だと商品を特定するのに時間がかかっていました。『発注書AI-OCR』はFAX発注書の文字をただ読み取るだけではなく、読み取った文字の類似度から商品の候補を出してくれます。正しい商品を選択すればAIの学習機能で次から商品の判別ができている状態で読み取られているので、受注業務の時間を削減できました。顧客の紐づけも一度学習すれば次回から自動で行われます。また、商品判別もJANコードを読み取ることで間違いを防ぐことができると思っています。
今後は『発注書AI-OCR(invox)』で読み込む得意先を増やし、月間3000枚以上を取り込む予定です。これからさらに導入効果が見えてくるのが楽しみです。
会社概要
会社名:株式会社大潟村あきたこまち生産者協会
代表者:代表取締役社長 涌井 信
本社所在地:秋田県南秋田郡大潟村字西4丁目88番地
設立:昭和63年2月19日(昭和62年10月創業)
従業員数:約140名
URL:https://akitakomachi.co.jp/
『発注書AI-OCR(invox)』サービス概要
FAXやメール(PDF)で受け取った発注書を『発注書AI-OCR(invox)』がデータ化し、受発注システム『BtoBプラットフォーム 受発注ライト』に自動で連携します。その受注データ(CSV)を基幹システムに取り込むことで、入力作業を削減することができます。
データ化された発注書では、『BtoBプラットフォーム 受発注ライト』に設定されている発注マスタ(得意先別マスタ情報)を参照し、該当商品が候補として反映されます。『発注書AI-OCR(invox)』には商品特定に特化したAIが搭載されており、取引先の商品名・商品コードに紐づけた『BtoBプラットフォーム 受発注ライト』のマスタを学習していく仕組みです。学習前の商品が発注された場合、商品名の類似度から"マスタ候補を紐づけた結果"を学習することで、2回目以降の商品特定が可能になります。
この商品特定に特化したAIにより、これまで商品特定ができる担当者のみで行っていた受注業務の属人化が解消されます。