飲食店が抱える予約に関する課題とは
飲食店にとって、予約の受付は売り上げ安定とお客の利便性向上のために大きな効果がある。しかし、ランチやディナーのピーク時に予約の電話がかかってきても、対応できずに予約を取り損ねてしまう場合がある。また、電話、メール、予約フォームなど予約を受ける窓口が複数ある場合、ダブルブッキングの可能性もある。電話予約であれば、予約日時などを聞き間違えるといったヒューマンエラーも起こりかねない。
予約受付対応は、お店を営業する上でルーチン業務になっているかもしれないが、作業が中断されてしまう点、事務業務が発生する点、対応方法や早さによるお客様満足度への影響など、意外と負担になる業務なのだ。そこで、多くの飲食店が導入しているのがネット上での予約システムである。
予約システム(予約アプリ)導入のメリット
予約システムを導入する最大のメリットは、ぐるなびや食べログなどのグルメサイト、LINEやGoogle予約などと連携して24時間365日予約を受け付けられる点である。電話予約は基本的にスタッフのいる営業時間帯のみしか受け付けられないため、電話が集中する、つながらないなど店舗側とお客様側双方にストレスがかかってしまうこともあるだろう。ネット上で完結する予約システムを導入すれば、機会損失を減らし、より多くの来店客に利用してもらえる。
電話予約の場合、従業員が内容を聴取し、その情報を予約台帳などに記入しなければならないが、ダブルブッキングや記入漏れなどが発生する可能性がある。オンラインでの予約は、こうしたヒューマンエラーを防ぎ、自動的にデータ管理できるのもメリットの一つである。
さらに、予約システムで受け付けた来店客のデータを収集し、それを分析し有効活用することも可能だ。例えば、以前注文したメニューや、誕生日などのデータを活用し、それに合わせてDMを送り、次回の来店を促せる。
また、予約システムの中には決済機能が搭載されたものもあるため、予約したにも関わらず、連絡なし(no)で姿を見せない(show)「ノーショウ」を未然に防ぐことにも可能だ。飲食店向けのシステムでは、来店客の都合で無断キャンセルになったとしても、一定金額の保証や、代金回収を代行するサービスもある。
予約システム導入の注意点
飲食店で予約システムを導入する際の注意点は、大きく分けて4つある。
1つ目は、予約システムを導入する際に店側が操作に慣れるまでに時間を要することだ。システムの操作は簡単にできる仕様になっているが、機械の操作が苦手なスタッフがいる場合、慣れるまでに一定の時間が必要だ。
2つ目は、予約システムによっては、料金がかかるということである。月額制や一部の機能のみオプション料金が必要なシステムなどがあるため、毎月どれくらいの予約数と売上が見込まれるか計算し、経営に見合ったシステムを選ぼう。
3つ目は、ネット予約に不慣れな客層が多い店は、たとえシステムを導入したとしても、予約方法が分からないことから、オンラインでの予約を諦めてしまうケースが見られる。そのため、費用対効果が得られない場合も十分に考えられる。顧客ニーズと店舗オペレーション双方の観点から電子化すべきかを検討しよう。
4つ目に、予約システムを導入するにあたって自社の情報を発信できる場を構築が必要だ。自社HPの作成や、最近ではインスタグラムなどのSNSを利用した飲食店のHPも多くなってきている。これらは予約ページを別で作成してリンク先を掲載し誘導する必要があるので予約機能も付いている、ぐるなびや食べログなどのグルメ予約サイトへの掲載をするのも1つの方法だ。
飲食店向けの予約管理システム4選
続いて、いくつかの飲食店向けの予約システムの特徴や金額について紹介する。
システム | 特徴 | 金額 |
---|---|---|
TableCheck | ・全席の空席状況を把握し、店舗のレイアウトをオンライン上で再現可能。 ・ネット予約を受注後、自動で配席可能 ・複数テーブルでの大人数の予約もネット予約で受付可能 ・空席の時間が一目瞭然で、予約の取りこぼしを防止する。 ・予約席の変更もドラッグ&ドロップで簡単に行うことができ、システム上で効率的に予約席の管理できる ・予約ブロック機能で常連客の来店や売り止めも可能 | 要問い合わせ |
レストランボード | ・24時間ネット予約受付可能 ・ホットペッパーグルメと連携していて、予約情報を自動で反映。 ・着席からの経過時間が表示されるので、席の稼働状況が一目瞭然 ・空席や予約状況がすぐに把握可能 ・過去に来店した顧客を把握 | ・テーブル管理や予約・顧客台帳は0円 ・メッセージ配信、ホームページ作成、ネット広告配信などはオプション料金が必要 |
トレタ予約台帳 | ・「Googleで予約」と連携 ・20以上のグルメサイトとの連携 ・予約確認をLINEで送信可能 ・キャンセル料請求で無断キャンセルを防止 ・顧客の好みやアレルギーの登録可能 | 要問い合わせ |
ebica | ・複数のグルメサイト経由の予約を一括管理。最新の空席情報を全てのグルメサイトに反映できる ・変更、キャンセルの情報も自動読み取り可能 ・新しい予約が入ると最新の在庫情報をすべてのグルメサイトに反映し、ダブルブッキングノシパイなく予約機会を最大化できる ・英語、中国語に対応 | 要問い合わせ |
自店舗に見合ったシステムの導入を検討しよう
店舗運営側は予約管理のミスをなくし、業務を効率化できること、利用者側はいつでも予約ができることが予約システムの最大のメリットだ。接客や調理に専念できる環境が整うだけでなく、予約時に収集した顧客データを分析し、次回の来店を促すアプローチも可能だ。予約システムの中には、一部のサービスが無料のものもあるため、まずはトライアル導入するのもよいだろう。
当たり前になっている日々の業務の中でも改善した方が、実は自店舗にもお客様にとってもメリットが大きい部分もある。これを機会に自店舗の運営改善を見直してみてはいかがだろうか。