主な食品急速冷凍機
製品名 | 特徴 |
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ACT-H-01 アクト中食 | 肉、魚、フルーツなど生とほぼ変わらない品質で解凍。省スペースで一般的な冷凍庫の電気代と大きく変わらない |
3Dフリーザー KOGASUN | 急速冷凍技術により、従来は冷凍できなかったかまぼこや血合いが変色するぶりなどの冷凍が可能 |
DEPAK解凍 サンテツ技研 | 食材の熱交換効率を高めて、ムラのない高品質な解凍を実現 |
液体急速凍結機凍眠(とうみん) テクニカン | パック済みの食品を-30℃のアルコールで急速冷凍し、鮮度を保って保存できる |
新チルド冷凍調理システム サラヤ | 安全で美味しく高品質な商品を少ない人手で提供する、高付加価値な新コールドチェーンシステムの構築 |
ショックフリーザー エンジェルジャポン | サーモセンサーによる芯温凍結に加え温度と時間の設定ができ、表面温度と中心温度の差をなくすことで和菓子・洋菓子の鮮度を保つ |
ゴンドラ連続式液体凍結装置 エーシー・フードテック | ゴンドラ単位の液体凍結を連続で行い、高品質・高速・大量の食材凍結が可能 |
フードタイムマシン 豊翔 | -60℃の超低温リキッドフリーザーを使い、さまざまな食材の劣化を半永久に防止する |
FREEZER 昭和電工ガスプロダクツ | 液体窒素を直接食品にスプレーすることにより食品を瞬間に凍結し、食品の味や色を高品質のままで保存 |
CAS(セル・アライブ・システム) アビー | 水分子を振動させて食材の細胞を保護しながら凍結することで、凍結前の美味しさをそのまま再現する |
ACT-H-01(アクト中食)
飲食店が限られたスペースで作業することを想定し、1時間あたり約2~10 kgの食品冷凍が可能だ。-35℃のアルコール液に真空パックされた食品を漬けることで鮮度を保ったまま食品を冷凍できるため、解凍時のドリップを軽減し、凍結前とほぼ同様の品質を維持できる。
食肉卸・加工、水産卸・加工、冷凍フルーツ製造、飲食チェーンのセントラルキッチンなどに採用されており、人手不足や食品ロスなどの悩みに応える。
3Dフリーザー(KOGASUN)
従来は鮮度を保ったまま冷凍保存することが難しかった、鮮魚やフルーツなどの冷凍を可能にする。食品の水分を奪わずに一定の湿度を保持したまま食品を冷凍する技術「非貫流熱交換方式(ACVCS)」によって、水分量を維持した鮮度の高い保存を実現する。
生産や販売量の調整・商圏拡大だけでなく、水分量を減らしにくいので、目減りを低減できる点もメリットといえる。
DEPAK解凍(サンテツ技研)
食材の熱交換効率を向上させて、ムラなく品質の高い解凍を実現できる。食品の解凍が終わると自動的に「鮮度保持モード」が実行されるため、保管温度を最適化しやすい点にも注目したい。
飲食店やレストラン、食品加工工場をはじめとしたさまざまな現場に導入可能で、サイズも現場の環境に合わせて選択できる。
液体急速凍結機 凍眠(テクニカン)
パックした食品を-30℃のアルコールで急速冷凍する技術を備える。液体は熱伝導率が高いため、食品から効率的に熱を奪い、凍結にかかる時間を大幅に短縮する。
-30℃の液体は、-100℃の窒素ガスに比べて約8倍もの冷凍スピードで、-10℃に到達するまでの時間はわずか16分と高速だ。調理したばかりの温かい状態からでも冷凍できるため、業務効率化にもつながるだろう。
新チルド冷凍調理システム(サラヤ)
調理現場の課題解決をはかるための高速冷凍技術だ。「真空脱気包装機シュットマン」を活用して調理直後の状態からホットパックし、「急速液体凍結機ラピッドフリーザー」で-30℃の液体による高速冷凍を行うことで、クックチル・クックフリーズを実現できる。
新チルド冷凍調理システムの導入により、調理現場の慢性的な人手不足や、技術継承の容易化、食品ロス削減やHACCPへの対応などにアプローチが可能になるだろう。
ショックフリーザー(エンジェルジャポン)
高度な冷却技術によって、和菓子や洋菓子などの「お菓子の鮮度」を保ち、できたてのおいしさを提供するソリューションだ。日本だけでなく、世界各国で導入されている支持の高さが魅力のひとつといえるだろう。
ショック庫や保存庫の容量が異なる「RSシリーズ」や「CSシリーズ」などの製品のほかにも、チョコレートの保存に特化した「チョコレートエージング庫」など、パティシエが活用しやすいさまざまな製品が提供されている。
ゴンドラ連続式液体凍結装置(エーシー・フードテック)
ゴンドラ単位で連続的に液体凍結を行い、高品質・高速・大量に食品を凍結可能だ。コンテナごとに移動・保管を行えるため、業務効率化にも効果が期待できる。
標準モデルとして「ボイル&クール」「殺菌洗浄」「液体凍結装置」を備えているが、処理内容や実装する機能などは、顧客の希望によってカスタマイズが可能で柔軟性が高い。一度に大量の食品を凍結できるため、コストパフォーマンスに優れている点が魅力といえる。
フードタイムマシン(豊翔)
-60℃の超低温リキッドフリーザーでさまざまな食材を凍結するソリューションだ。超低温で急速冷凍することによって、食品の細胞破壊を防止し、鮮度を保った保存が可能になる。理論上、冷凍した食品の劣化を半永久に防ぐことができる。
マグロに含まれるDHA、EPAを完全に凍結することにも成功しており、鮮魚の長期保存が必要な場合にも活用しやすいだろう。
FREEZER(昭和電工ガスプロダクツ)
-195.8℃で気化する液体窒素によって食材を瞬間冷凍し、食品の鮮度を維持したまま保存する技術だ。色落ちや乾燥、ドリップの流出を防ぎ、食品の品質を長期間にわたって保ち続けられる。
水分含有量が多く、ドリップが出ると食品の容量が減少してしまう食品や、香りが重要な食品、熱処理で風味が損なわれる性質をもち、湯通しが難しい食品などに特に有効といえる。
CAS(セル・アライブ・システム)(アビー)
食品に含まれる水分子を振動させて、冷凍時に発生する氷晶を微細化する技術だ。従来の冷凍技術のように、冷凍時に食品中の水分子が膨張して細胞を破壊することを防ぎ、食材の品質を維持したまま保存できる。
CASは食品に限らず、医療分野や応用物理分野まで広く活用されており、今後も活用される領域はさらに広がっていくだろう。
事業者が急速冷凍機を導入するメリット
急速冷凍技術により、品質保持だけではなく業務改善や廃棄を減らせるメリットもある。
<急速冷凍機を導入するメリット>
・おいしさや安全性などを保持したまま食品を消費者に届けられる
・食品ロス削減、原材料の削減ができる
・事前調理が可能となるため計画生産・まとめ製造ができ、人手不足の解消や、従業員が通年で安定した働き方ができる
・注文が入ってから提供するまでの手間が省け、調理オペレーションの改善になる
近年注目されている急速冷凍技術。急速冷凍機を上手く取り入れることで、食品従事者はより質の高い商品を消費者に提供できるほか、先に述べたような食品廃棄の削減や業務オペレーションを見直すことで、そこからの利益率アップへもつなげることが可能だ。 こうした開発事業者と、それを利用する事業者との共創により、社会貢献にもつながるだろう。