営業職ではテレワークによるオンライン商談が増えつつあるが、食品卸やメーカーの間ではテレワークを利用していないという回答が70%にのぼった。その理由は、商品の製造や配送などでもともとテレワークがしにくい業務であることもあるが、「IT設備・環境が整っていない」という結果が最も多かった。
このことから、特に食品業界の営業職ではオンライン商談ができるようなテレワーク環境の整備、紙の営業資料や商品カタログではなく電子データの資料の整備が必要になるといえる。顧客との接点を継続的に作れるという点で、Webを介して販促や受注機能のあるシステム導入の検討も近年多く見受けられる。
食品卸、食品メーカー従業員へのペーパーレスに関する実態調査
【Q】コロナ禍以前と比較して、貴社のペーパーレスへの意識は変わりましたか?
【Q】お取引先と紙でやり取りしている書類を選択してください。 ※複数選択可
【Q】上記の書類について、ペーパーレス化ができない理由を教えてください。 ※複数選択可
【Q】職場のペーパーレスを進めたいと思いますか?
食品卸、食品メーカーの従業員のうち、「職場のペーパーレスを進めたい」という割合は6割にのぼった。一方で、コロナ禍でも社内のペーパーレスに対する意識は「あまり変わらない」割合が6割となった。
原因の多くは取引先が紙でのやりとりを求めているため、社内で捺印が必要なためという結果だ。このことから、ペーパーレスが進まない要因は商慣習や社内の意識改革に障壁があるとうかがえる。
可能なところからテレワーク・ペーパーレスの環境づくりが必要
2022年1月に改正される電子帳簿保存法によって、取引先から請求書などは紙ではなく電子データでの発行を求められる可能性もあるため、取引先と共にペーパーレスができるサービスの検討も必要になってくるだろう。
また、最近のオミクロン株の出現により、新たな感染の波が来ることが考えられる。食品業界では商品の製造や配送など、もともと物品を中心とした業務となる。しかし新型コロナウイルスの脅威が続き、労働者の人口が減るなか、企業が生産性を上げるには業界全体でテレワークやペーパーレスを推進することが改めて必要といえそうだ。