・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
新型コロナウイルス感染症やまん延防止措置などの影響を受けて、休業された労働者で休業手当の支払いを受けられなかった者が対象の給付金である。申請すると、休業前賃金日額の80%を給付金として受け取れる。
対象者 | 以下の期間に事業主の指示を受けて休業し、休業手当の支払いがなかった日がある労働者 ・中小企業で働く方 2020年4月1日~2021年11月30日 ・大企業にシフト制で働く方 2020年4月1日~6月30日までの間 2021年1月8日~11月30日までの間 |
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給付率 | 休業前賃金日額の80% |
助成上限額 | ・2020年4月1日~2021年4月30日 11,000円 ・2021年5月1日~2021年9月30日 9,900円 |
申請期間 | ・中小企業で働く方 ・2020年10月~2021年9月の休業 2021年12月31日まで ・2021年10月~11月の休業 2022年2月28日まで ・大企業で働く方 ・2020年4月~2021年6月及び2021年1月8日~9月の休業 2021年12月31日まで ・2021年10月~11月の休業 2022年2月28日まで |
申請方法 | 厚生労働省で受付 |
・月次支援金
月次支援金は、主に飲食店の休業、時短要請を受けて売上が減少した事業者に給付される支援金である。
対象者 | ①緊急事態措置やまん延防止等重点措置による飲食店の休業、時短営業、外出自粛等の影響を受けていること ②緊急事態宣言やまん延防止措置が実施された月の売上が2019年または2020年の同月と比べて50%以上減少していること ※①②の両方を満たす事業者が対象 |
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給付額 | ・中小法人 20万円/月 ・個人事業者 10万円/月 ※月ごとの給付上限額 |
申請期間 | ・8月分 2021年9月1日~10月31日 ・9月分 2021年10月1日~11月30日 |
申請方法 | 中小企業庁にて受付 |
・事業再構築補助金
ポストコロナ、ウィズコロナの社会変化に対応するために、思い切った事業へ再構築する中小企業を支援する補助金である。具体的には、新分野への展開や業態転換、事業・業種転換、事業再編などで、審査を経て補助金の受給可否が決まる。公募は複数回実施され、2021年10月13日現在、第3回の募集が終了し、あと2回の実施が予定されている。
対象者 | 中小企業、中堅企業、個人事業主、企業組合など |
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必須申請条件 | ①新型コロナウイルスの影響で売上が減少していること(規定ある) ②事業の再構築に取り組むこと ③認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること |
給付額 | ・【中小企業】100万円~8,000万円 ・【中堅企業】100万円~8,000万円 |
補助率 | ・【中小企業】3分の2(6,000万円を超える場合、2分の1) ・【中堅企業】2分の1(4,000万円を超える場合、3分の1) |
対象になる経費の例 | 建物費、技術導入費、機械・システム構築費、広告宣伝・販売促進費、外注費、研修費など |
申請方法 | 事業再構築補助金事務局で受付 |
・感染防止協力金
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、休業や営業時間の短縮など自治体からの要請に協力した事業者に向けて、協力金が支給される。自治体ごとに支給対象の業種や申請期間、支給額、手続き方法が異なる。これまでにも国の方針を踏まえて、申請期間などの延長などが見られたため、対象者は該当の自治体のホームページを注意して確認する必要がある。
・持続化補助金
持続化補助金は、一般型と低感染リスク型ビジネス枠の2種類がある。特に、低感染リスク型ビジネス枠は、ポストコロナ社会に対応するために導入された補助金である。消毒液や検温器などの購入費用や、換気設備を導入するための費用の一部を国が支援する。
<一般型>
小規模事業者などが経営計画の策定をして取り組む販路開拓などの取り組みを支援する。
補助額 | 上限50万円 |
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補助率 | 3分の2 |
補助対象 | 店舗の改装、チラシや広告の作成および掲載など |
申請スケジュール | 2021年10月13日現在、6次募集まで終了している。 ・(7次締切) 2022年2月4日(金) |
申請方法 | 経済産業省jgrantsにて受付 |
<低感染リスク型ビジネス枠>
小規模事業者などがポストコロナ社会に対応するためのビジネスモデルに転換する際にかかる費用や、消毒液の購入費や換気設備導入費などの感染防止対策費の一部を支援する。
補助額 | 上限100万円 |
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補助率 | 4分の3 ※ただし感染防止対策費は補助金総額の4分の1(条件によっては2分の1)を上限に支援 |
補助対象 | 人同士が接触する機会を減らすためのテイクアウト・デリバリーサービスの導入、ECサイトの構築など |
申請スケジュール | 2021年10月13日現在、3次募集まで終了している。 ・(4次締切) 2021年11月10日(水) ・(5次締切) 2022年1月12日(水) ・(6次締切) 2022年3月9日(水) |
申請方法 | 経済産業省jgrantsにて受付 |
雇用調整助成金の総支給額が2021年7月末時点で4兆円を突破
コロナ禍が長期化していることで雇用調整助成金の支給額が増加し、雇用保険の財政が窮迫している。新型コロナウイルスが本格的にまん延し始めた2020年3月から2021年7月23日時点での支給決定額は4兆円を超えた。
2008年のリーマン・ショック後にも特例措置が設置されていたが、その際の支給額はおよそ6500億円に留まっており、比較すると現在は約6倍にまで膨れ上がったことになる。
しかし、雇用調整助成金の特例措置の効果で日本の失業率は海外諸国よりも低く抑えられているのも事実だ。これからは、財源確保をどう進めていくかが本格的な課題となるだろう。事業や従業員の雇用を守るためにも、国が負担する助成金、補助金、支援金等を積極的に活用していくことが求められる。
[参考文献]
・厚生労働省
「歩合給がある場合の雇用調整助成金の助成額算定方法が令和3年9月1日以降の休業から変わります」
保険局保険課「新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給について」
「雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)」
「最低賃金を引き上げた中小企業における雇用調整助成金等の要件緩和について」
「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」