さらに同年9月に、女性タレントがスーパー大麦を使った腸活ダイエットに挑戦するTV番組が放送され、Yahoo!検索のデイリーランキングで1位を獲得した。
ブームにいち早く反応した女性たちは、SNSやブログなどを通じて「どこで売っているのか」「問い合わせても繋がらない」といった強い要望の声を投稿。マスメディアに加え消費者の口コミによる発信が、ブームに拍車をかけ、通販大手のAmazonや楽天などの販売サイトで、売り切れが続出した。このような状況は、販売元の帝人にとっても想定外だったという。
「基本的には、原料としてのスーパー大麦を、食品メーカー様に販売するのが我々のビジネスです。自社製品の製造販売は、あくまでスーパー大麦の良さを知っていただくことが目的でした。新聞や雑誌のほか、TVで大々的に取り上げられたことで、当初の予想を上回る反響をいただきました」(三好氏)
広がりつつある飲食店での導入
食品メーカーのみならず、飲食店からのアプローチも見られ始めている。東京・表参道の糖質制限とオーガニック専門レストラン「TI DINING」では、9月からスーパー大麦を使ったメニューの提供を開始。日本初の試みとして話題を呼んでいる。
「『TI DINIG』さんでは、スーパー大麦に砂糖や余分な調味料を一切加えず、リゾット、サラダ、スープ、デザートなどとして提供されています。素材自体にほのかな甘みがあり、ゆがいただけでも結構美味しく食べられます。飲食店のメニューとしても、取り入れやすいのではないでしょうか」(三好氏)
今もまだ品薄状態が続いているスーパー大麦だが、もっと気軽に手に入るようになれば、サイト上の口コミも、さらに活性化すると予想される。また新商品の開発や、飲食店など業務用の活用も目が離せない。今後もスーパー大麦の話題には事欠かなそうだ。
取材協力・写真提供:帝人株式会社