調査概要
- 対象者:週に1回以上居酒屋を利用する20代~60代の男女400名
- 対象者の内訳:男女各200名、20代~60代それぞれで男女40名ずつ
- 実施期間:2024年11月15日~11月19日
- 調査方法:インターネット調査
- 実施者:株式会社インフォマート
調査結果サマリー
- メニュー選びにおいて、必ずしも値段の安さが重視されるわけではない。
- リピートする要因は、価格の安さや料理の内容よりも、店舗で過ごす時間がいかに快適であるかが強く影響する傾向にある。
- 居酒屋の利用シーンで多いのは「友人・知人」だが、男女別・年代別にばらつきがある。
- 一人で行く時はなるべく安くすませ、異性と行く時は単価が高くなる傾向がある。
- 70%以上が105%以上の値上がりを許容できると回答した。
- 全体的に男性の方が単価は高い。一方で女性は、自分自身や友人とのつきあいでは単価が高い。
- 値上げを許容する傾向は女性よりも男性が強い傾向がある。一方で女性は、職場関係では比較的値上がりを許容しやすくなる傾向がある。
調査結果の詳細
メニュー選びの基準トップは、「直感でおいしそうか」「食材の品質」「旬な食材を使っているか」
【Q】「居酒屋に行った時にメニューを選ぶ基準・重視するポイントをすべて教えてください。
男女とも1位は「直感でおいしそう(61.0%)」で、2位は「旬な食材を使っているか(44.8%)」、3位は「食材の品質(39.3%)」という結果になりました。「安い(37.3%)」は4位で、メニュー選びにおいて、必ずしも値段の安さが重視されるわけではないことがわかりました。
リピートしたくなる居酒屋のトップ3は、「メニューの豊富さ」「店員の態度」「お店全体の清潔感」
【Q】リピートしたくなる居酒屋として、あてはまるものをすべて教えてください。(複数回答可)
全体の1位は「メニューの豊富さ(55.0%)」、2位は「店員の態度(52.0%)」、3位は「お店全体の清潔感(49.8%)」となり、この3つの選択肢を約5割の人が選ぶ結果となりました。値段に関する選択肢では、「お酒の安さ(43.5%)」が5位、「食べ物の安さ(40.8%)」が6位という結果でした。
回答の上位を占めたのは、料理やお酒の中身に関することではなく、スタッフやお店の清潔感に関することでした。これらの回答結果から、リピートしたくなるかどうかは、価格の安さや料理の内容よりも、お店で過ごす時間がいかに快適であるかが影響する傾向にあることが明らかになりました。
居酒屋の利用シーンで多いのは「友人・知人」
【Q】居酒屋にはどなたと行きますか。(複数回答可)
男女全体の1位は「友人・知人(54.3%)」、2位は「夫婦・恋人(44.3%)」、3位は「一人で(39.3%)」という結果となりました。ただし、男女別・年代別では利用シーンに大きく差が出ました。
一人の時はなるべく金額をおさえる傾向。最も単価が高かったのは「夫婦・恋人」
【Q】前問で回答した『利用シーン別』において、一度に使う金額感として最もあてはまるものをそれぞれ教えてください。
利用シーンに共通して高い割合となった価格帯は、3,000円~6,000円でした。ただし、居酒屋に一人で行く時は「3,000円未満」が1位になり、一人の場合はなるべく安くすませる傾向にあることがわかりました。また、男性の場合は7,000円以上の価格帯で支払金額が高くなる傾向にありました。
利用シーン別の許容できる値上がり範囲
【Q】現在のご予算を100%として、居酒屋で許容できる値上がり範囲を、シーン別にそれぞれ教えてください。※同席する方がいる利用シーンは、一人あたりのご予算でお答えください。
全体の7割り程度が値上がりを許容できると回答しました。どの利用シーンでも、値上げの許容度は男性より女性の方がシビアな傾向になりました。シーン別で値上げを許容できる回答が多かったのは「夫婦・恋人(82.5%)」「家族・親類(80.6%)」でした。
まとめ
今回は、居酒屋の「メニュー選び」「リピート」「利用単価」そして「値上げに対する許容」の5項目について調査を行いました。
「メニュー選び」や「リピート」で重視されるのは、料理の質やメニューの豊富さ、店員の接客態度など、店舗で過ごす時間の質であり、必ずしも価格の優先度が高いわけではないことがわかりました。「値上げに対する許容」では、いずれの利用シーンにおいても、7割程度が値上げを許容できると考えていることがわかりました。
以上のことから、居酒屋が値上げをする場合、料理や接客の品質を向上すれば必ずしも客数減少の原因とはなりえないといえます。利用シーンや性別ごとに値上げの許容度に違いがあり、許容度が大きい利用シーンをターゲットにする飲食店では値上げしやすい環境にあると考えられます。