カフェの開業を成功させるコツ
飲食店の開業には、開業資金の調達、コンセプト設計、事業計画、メニューの開発などの準備が必要だ。特に未経験でカフェを開業する場合、あらかじめ取り入れておいた方が良い知識や成功させるためのコツなどを勉強しておくことは重要だ。
厚生労働省の資料によると、カフェの店舗数は2008年をピークに減少しているものの、ここ20年ほどの市場規模はほぼ横ばいで推移している。また2012年以降は1世帯あたりの喫茶代への支出金額が増加傾向にある。
これだけを見ると、需要は安定してありながらも供給が減っている状況となっているため、今から新規店舗が参入する余地はあることが伺える。
近年では、セルフサービス型の店舗やコンビニの店頭販売、猫カフェやメイドカフェなどのコンセプトカフェといったサービスの多様化により独自の強みを持っている競合が増えている。
こうしたライバル店と競うには、他の店舗にはない付加価値や個性的なサービスの提供が必要だ。
大手チェーン店に対抗するには?
個店としてカフェを開業し、大手チェーン店に立地や価格で対抗するのは難しい。そこで以下のような強みを作ることが重要と言える。
カフェの付加価値提供の例 |
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・本場の料理や本格的なコーヒーといった質の向上 ・若者を呼び込むために写真映えするような盛り付けやメニューを用意 ・内装のこだわりや居心地の良い店内の雰囲気作り ・本の設置やペットと触れ合えるなどの複合型 ・キッチンカーなどの移動販売で場所に縛られない |
また独自の強みを持っていても、それを知ってもらわないと集客につながらない。インターネットで情報が集めやすい現代においては、WebサイトやSNSを活用して広く認知してもらう工夫も必要になる。
カフェを開業する際の注意点
カフェを開業する際には、経営を行う上で発生する様々な問題やリスクにも注意を向ける必要がある。
・原材料の高騰
・客足の減少
・水道・光熱費・人件費の上昇
・人手不足や求人数の減少
参照:厚生労働省「業種別マニュアル_喫茶_改訂2021」4ページ目参照
新型コロナウイルスの影響で多くの飲食店では客足の減少により大きな打撃を受けた。2023年の現在でも、食品メーカーの商品の価格上昇、大手電力会社による電気料金の値上げ、全国的な最低賃金の引き上げなど飲食業界への影響は大きい。
特に、新規開店する場合には、外食消費に復調の兆しが見えるとはいえ、決して簡単ではない環境下でいちから集客や人材募集などを行っていかなければならない。綿密な計画を立てて運営していく戦略性が必要になる。
カフェを開業する準備
カフェの開業には、学ぶべき項目がとても多い。メニュー開発やイベント企画から、収支モデルの確立や従業員の教育方法、開業までの流れなどが一例として挙げられる。
メニューに関しては、飲食経験者と未経験ではかなりの差が出てくる。そのため、料理の腕を磨く、コーヒーの入れ方、接客方法といった基本的な知識を取り込んでおくことは必須事項だ。
そこでカフェを起業する際の準備として、以下のような方法で実践的かつ体系的に学ぶことも視野に入れよう。
・他のカフェで従業員や雇われ店長として働く
・カフェや喫茶店開業のスクール、オンライン塾などに通う
・カフェや飲食店開業のコンサルタントに依頼する
・フランチャイズ展開を検討する
また顧客を増やすための集客方法など、ピンポイントで学びたいことがある場合には、セミナーや講座などに参加してみるのもありだ。そこで知り合った参加者とつながりを持てれば、同業者との人脈を広げられるメリットもある。