弊社では得意先を産地の漁港へお連れして、漁業者とのやり取りを見ていただくことも積極的に行っています。舞台裏を見せることで、産地とのパイプの深さもご理解いただいているのです。今後は産地や加工履歴などの情報は、より求められてくるでしょう。商品の付加価値を高めるためにも、仕入れ先も含めたチーム戦で情報を整備していく必要があります。そのため、規格書でしっかりした商品情報を提示できるように取り組んでいます。(千葉社長)
【Q】水産物の情報管理は大変そうですね
水産品は、JANコードなど付いていない場合があります。そのような中で、弊社が取り扱う商品は約7000アイテムにのぼり、改廃も多いため、管理を簡素化するためにもシステム化は必要でした。このため規格書の管理システム『BtoBプラットフォーム 規格書』を利用しています。(関氏)
弊社では得意先からの規格書などの問合わせは、まず営業担当者が受けますが、外出などで不在のときは事務員が返答します。どんなに品目が多くても、誰でもかんたんな操作でその商品が分かる仕組みが必要でした。(千葉社長)
システムの導入前は、エクセルの規格書フォーマットを仕入れ先にメールで送って商品情報を記入してもらい、得意先へお渡ししていました。
その際、弊社、仕入先、得意先がそれぞれ違うフォーマットを使っていたので、手入力の転記が発生します。項目名や成分表の単位が違う場合もあったので、内容を間違えないよう慎重に、かつ、期日までに急いで記入しなければならず、対応に追われる日々が続いていました。
システム化したことで目に見えて効果があったのは、安心・安全の強化です。仕入先が記入した確実な商品情報をそのまま得意先に提出できるので、転記ミスがなくなりました。また、手作業から解放されたことで規格書提出の依頼を受けたらすぐに対応できるようになり、効率もあがっています。(桑名氏)
実務担当者の意識も高くなりました。効率化によってできた時間で、業務全体を俯瞰的に見ることができ、部署をまたいだ改善点をいろいろ提案するようになっています。
また、以前はそれぞれの営業担当者が規格書の対応をしていたのですが、管理者に一手に集約したことで、本来の営業活動に注力できるようになりました。作業時間の短縮はもちろんコスト削減につながるのですが、それ以上に、弊社にとって長期的に従業員が育ってくれることが何よりのメリットです。(千葉社長)
横浜市場発信で業界を元気に
【Q】今後の事業展開で重視することは何ですか?
首都圏の中央卸売市場といえば、豊洲移転を控える築地市場が注目されがちですが、弊社は横浜の市場から業界全体を盛り上げていきたいと思っています。そのためには、新鮮な魚を仕入れる必要があります。これまで以上にライフワークとして産地とのつながりを強化しなければなりません。
例えば北海道産の流通量の少ない水産物などは、居酒屋や寿司屋などでも需要が高いため、少量でもこだわり感のある商品を積極的に提供していきたいです。(千葉社長)
株式会社ハンスイ
設立:1990年2月 代表者:代表取締役社長 千葉 洋明 住所:神奈川県横浜市瀬谷区卸本町9308-18 事業内容:水産物・水産加工品の卸売販売 公式HP:http://www.hansui.jp/