地道な営業活動で広まった、“元祖”万能中華調味料
「創味シャンタン」は、中華料理に欠かせない清湯(チンタン)スープをベースに、油脂、玉葱、ニンニクなどの香味野菜、20 数種類のスパイスを配合したペースト状の中華調味料だ。誕生は高度経済成長の初期、1961(昭和36)年にまで遡る。
「創業者である先々代社長が、第2次世界大戦で中国への出征時に現地で食べた本場の味が忘れられず、自ら試行錯誤の末に作り上げたのが始まりです。元々、業務用調味料の卸業を営んでいた当社にとっては、メーカーとしての“創業の品”となります」
中華料理の味付けといえば、厨房に並んだ幾つもの容器から調味料を少しずつすくって使うのが一般的。それをひとつに凝縮することで簡単に味が決められる、画期的な商品だった。
「当時は、社員総出で町のお店を一軒ずつ回って歩いたそうです。競合商品はなく、『創味シャンタン』の名は料理人の口コミによって徐々に広がっていきました」
こうして創味シャンタンは、中華料理が広まった時代背景も手伝い、半世紀以上にわたって愛用される商品となっていった。
現代では足で稼いだヒントを元に、新規需要を開拓
発売当初こそ画期的な商品として広がったが、現代は社会環境が一変している。今はどのようにして販路を広げているのだろうか。