ニーズを汲んだきめ細かい対応で支持を獲得
また、最近では、飲食業界の人材事情に即した対応も求められているという。
「パートやアルバイト、外国人など、熟練ではない方が厨房に入って調理を担当するお店が多くなっています。そのため、箇条書きのレシピだけではご理解いただけないケースが増えてきました。より詳細なマニュアルを含めてご提案することもしばしばです」
同社では、本社や各支店に業務用の厨房設備を揃え、お店ごとの料理のマニュアルを作成することもあるそうだ。材料を切る段階から始まり、フライパンへの火入れ、油の量、材料を入れる順番とタイミング、味付けの手順、盛り付けまで、詳細に各工程を撮影。レシピの説明とともに、提案資料へ落とし込んでいくという。
そんなきめ細い対応の積み重ねにより、中食市場などからも支持を得て、販路が拡大している。2015年には、市販品を発売したことによる相乗効果も手伝って、業務用シャンタンの売上は前年比130%を記録した。外食からのリクエストも増加し、『創味シャンタン』をベースにしたオリジナル調味料の開発をはじめ、多彩な要望に対応中だ。
「よく、時代によって浮き沈みもあったのでは、と聞かれますが、中華料理というのは高級品や嗜好品ではなく大衆食ですから、それに使う調味料も景気が悪い時の方が売上が伸びたりします。逆に、バブルなど好景気の時もあまり関係ないので、その影響を受けにくいこともありますが(笑)。良くも悪くも時代や景気に左右されない、マイペースな商品です」
味を創り、味にこだわり、飲食店を影で支えて56年。その成長の裏には、ブームを追わずに普遍を貫くマイペースなモノづくりの精神と、時代のニーズを汲んだきめ細かな取り組みがあった。このスタイルが続く限り、創味シャンタンは愛されていくに違いない。
株式会社創味食品
住所:京都府京都市伏見区横大路芝生24-3
電話:075-612-3333(代)
事業内容:業務用・市販用各種調味料の製造販売
公式HP:http://www.somi.co.jp/
お話:開発本部 商品開発第3課 課長 小幡友幸さん