外食産業への食品卸としては後発でも、コンピューター導入が早かったことが、今日の成長につながっているという。
「私のIT化に対する基本スタンスは、『社長の専権事項でやるべきだ』ということです。投資対効果は、3から5年で考えるべきで、すぐに効果が現れるものではありません」
これからの卸売業の役割は、外食の“サポート部隊”
最後に、今後の卸売業の役割について何が重要になるかをうかがった。
「小売業ではスーパーやコンビニのようなチェーンが寡占化して、個人商店も問屋も大変厳しい状況にあります。しかし外食産業では寡占化が進みません。外食は嗜好産業ですから、個店の料理人やシェフの方々が持つ個の力で生き残っていくものなんですね。そういう店を支えるために、当社では100社を超える食品メーカーと共同で、食の展示会を開催しています。これは一例ですが、メーカーとタイアップして商品を供給する役割を誰かがやらなくてはいけません」
さらにこれからの卸売業は、単に食材を卸すだけではなくサポート部隊としての役割が大きくなるという。
「我々のような外食の卸売業は、飲食店の繁盛にどれだけ貢献できるかが重要です。商品を供給することはもちろんですが、その商品を使った新しいメニューの開発や、売れ筋データ、食の安心・安全に関する情報の収集と提供など、あらゆるサポートですね」
付加価値を付けることで仲卸と飲食店の双方がメリットを得られる関係を作っていくのは、お互いの発展のためにあるべき姿だ。
「お客様のビジネスを想像し、お客様の喜びを創ること。これこそ、他社との差別化につながり、一歩先を行く存在であることにつながります」
自社業務の効率化と飲食店へのサポートで、自他共に成長する道を選択してきた広栄。今後も食の専門商社として、外食のビジネスになくてはならない存在であり続けることだろう。
広栄株式会社
住所:大阪府東大阪市菱江3-7-14
電話:0729-66-2208
事業内容:中華料理・洋食料理・和食料理・喫茶・ファストフード等の食材の販売
公式HP:http://www.foodac.net/koei/