沖縄の食文化を支える総合卸
【Q】沖縄で老舗の総合食品卸売業を営まれています。
営業部 営業2課 主任 井口哲人氏(以下、井口主任):当社は長年にわたり沖縄の安心安全な食を支えてきました。主な取引先となる量販店様や飲食店様、製パン・製菓・製麺メーカー様、ホテル様、病院様などに向けて、砂糖・小麦粉・食用油といった調味料の他、冷凍食品や酒類、飲料、包装品、洗剤、鶏卵、精肉など約7000アイテムを配送しています。
また、当社では農場から運ばれた鶏卵を洗浄、殺菌などして出荷する鶏卵センターや精肉センターを併設し、お取引先様のご要望に沿った加工品もご提供しています。
【Q】取引先が増える中、どのような受注の課題がありましたか?
井口主任:受注方法は電話やFAXのほか、営業個人宛のLINEメッセージなど様々あります。注文内容は「バター1」などと送られることがあり、どのメーカーのどんな容量で、バターは有塩か無塩か、1は箱かkgなのか分かりにくいのです。過去の注文実績を調べて有塩バターをお届けしたところ、無塩バターが欲しかったということもありました。
このような注文を営業1人あたり1日15~20件ほど受けて、1件あたり5~10分の時間がかかっていました。また、LINEメッセージでの注文は休日や勤務時間外でも来ますし、営業担当が急に休んだ際は他者への受注の引き継ぎが大変です。
さらに、毎朝8時~9時半までの1時間半に受注処理を終え、配送担当にピッキングリストを渡さなければなりません。営業担当は注文を処理するため早めに出勤しており、受注処理中は話しかけられるのも困るほどです。こうした課題を解決するには受注のデジタル化が必須と考えて、2023年に社内でDX推進チームを発足し解決を図りました。
LINEを使った受発注システムは操作が簡単
【Q】受発注のシステム化をされたきっかけは何でしたか?
井口主任:得意先のケーキ店様から、「『TANOMU』という受発注システムがある」とスマホ画面を見せていただいたのがきっかけです。すぐにインフォマートに問い合わせて、オンラインで説明していただきました。
『TANOMU』は何といっても、スマホでLINEを使って発注していただけるのがいいですね。取引先も当社も日々の業務に追われている中で、会社に何か新しいツールを入れるのは労力が必要ですが、LINEなら誰もが使いやすい。そう思って導入を決めました。
社内の営業の多くは受注にかかる労力を減らしたいと導入に賛成でした。一部に既存の受発注システムと『TANOMU』の併用が面倒なのでは、という意見も出たのですが、『TANOMU』の受注情報をCSVデータで取り出し基幹システムへ取り込んでしまえば問題なく運用できることが分かりました。受発注システムに関する問合せの窓口もインフォマートへ1本化できる点も評価され、社内に受け入れられていきました。稼働準備は特に大きな手間もありませんでした。
【Q】導入の効果について教えてください。
営業部 営業4課 城間裕介氏:営業個人に来る電話やLINEメッセージの注文が減り、毎朝の受注業務が効率化できました。また、電話やLINEメッセージでの注文は休み中もいただきますが、『TANOMU』で受注すれば、休暇中の受注の引き継ぎは「確認だけお願いします」でOKです。
私の場合、『TANOMU』を使って毎朝の受注作業にかけている時間が50%ほど減りました。8時~9時半までのピッキング時間に追われるピリピリしたムードから解放され、週明けに発生していた大量のFAXやメール注文の処理も減り、早朝出勤も受注ミスによる再配達もなくなり、さらに休日の受注対応もなくなって、新商品をご案内する際の資料作成ができるようになりました。本当に素晴らしいツールだと思います。
【Q】お客様の反応はいかがでしたか?
井口主任:お客様からもネガティブな反応はほとんどありません。画面がシンプルで、非常に操作しやすい。誰もがすぐに使いこなせるのはとても魅力的ですね。やはりLINEの操作性が大きいと思います。特に今までLINEメッセージでご注文いただいていたお取引先様は、『TANOMU』を使った発注に抵抗がないようです。
お取引先様に発注方法を切り替えていただく際は「チラシ機能を通して特価商品などお得な情報もLINEで配信します」というお話をします。それをきっかけに新規商品のご注文をいただくこともあります。現在はお取引先様の7割に『TANOMU』を使って発注いただいているのですが、残り3割の方にも積極的に進めていきたいと思っています。
業務の属人化を脱し、誰もが休みたいときに休める環境へ
【Q】今後の展望をお聞かせください。
井口主任:社内DXを推進するにあたっては、トップダウンとボトムアップの両方が必要です。何より現場での実現性が重要になります。『TANOMU』のようなツールが普及すれば、作業ミスが減り、業務の属人化も解消され、誰もがいつでも休めるような労働環境が実現すると思います。そこを目指して、今後もデジタルで毎日の処理を軽減していきたいですね。
株式会社金城商事
本社所在地:沖縄県浦添市西洲2丁目8-2
創立:1952年3月3日
代表者:代表取締役 金城 光成
公式サイト:https://www.kinjoshoji.co.jp/