名称不明な酒類商品のFAX受注にかける負担をIT化で削減~喜屋武商店

卸・メーカー2024.11.12

名称不明な酒類商品のFAX受注にかける負担をIT化で削減~喜屋武商店

2024.11.12

名称不明な酒類商品のFAX受注にかける負担をIT化で削減~喜屋武商店

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沖縄で酒類卸を営む喜屋武商店。全国酒類業務用卸連合会に加盟している古参の泡盛卸業者だ。業務課題は受注の9割以上を占めるFAX注文書の入力作業で、事務員の負担になっていた。

受発注システム『TANOMU』と販売管理システムをCSV連携させて手入力を軽減したことで、日々の入力作業やストレスは大幅に削減。LINEを使った販促機能も活用し、離島の取引先にも即座に商品提案しているという。

目次

泡盛は沖縄の宝もの。その魅力を届ける

【Q】沖縄で古くから酒類卸をされていますね。

有限会社喜屋武商店 企画営業 比嘉 政義 氏
有限会社喜屋武商店
企画営業 比嘉 政義 氏

企画営業 比嘉政義氏(以下同):当社の創業は1955年、沖縄が米軍統治下の時代から現在に至るまで泡盛をはじめとしたお酒を卸売しています。得意先は土産品店や業務用酒販店を始め、繁華街・国際通りや県内各空港の店舗、リゾートホテル、座間味島や南大東島など離島にある店舗ともお付き合いがあります。
泡盛は沖縄の宝ものであり、島の文化のひとつです。泡盛を未来につなぐことを使命に、その魅力を発信し続けています。

【Q】沖縄の卸業界の課題は何でしょう?

卸業界はまだまだFAXを使った非効率な商習慣が色濃く残っているのが現状です。当社も受発注システム『TANOMU』を導入する以前は、受注方法の9割以上がFAX、1割弱が電話でした。FAX注文書を1枚ずつ見ながら販売管理システムに手作業で入力しており、時間的にも労力的にも大きな負担になっていたのです。

紙の消費量も相当でした。事務員が受け取ったFAX注文書を2枚コピーして、1枚は入力に、もう1枚は商品のピッキング用に営業担当に渡していました。一度の注文で紙3枚を消費するので、コピー用紙500枚の束が3日でなくなります。年単位で見ればコストも馬鹿になりません。

国際通りの観光土産品店などは店内にスペースがなく、十分な在庫を抱えられないことが多くあります。そうしたお取引先様からは、40~50種に及ぶ多種少ロットの注文が週末に集中します。FAX用紙に小さな文字でびっしりと商品名が記されるうえ、商品の呼称も記入者により異なるのでミスが生まれやすい。例えば「ブラック30度」と書かれても残波ブラックか久米仙ブラックか、担当営業しか判断できなのです。当社ではこうしたFAXでの受注方法をデジタル化することが喫緊の課題になっていました。

受発注システムで社内DXを推進

【Q】受発注システムを導入した決め手は?

当社が『TANOMU』を導入したのは2024年2月で、その1~2年ほど前から受発注システムの提案を複数社から受けていました。各社のお話は魅力的で、システムを入れるだけで伝票処理がこんなにラクになるのかと驚きました。ですが、いずれの提案も導入の決め手が弱かったのです。

例えば、当社から情報発信できる機能がなかったり、機能面は満足できても費用が高かったり、当社だけでなくお取引先様にも毎月の利用料が発生したり。早く導入しなくてはとは思っていたのですが、しっくりくるものがなく、事務員に負担を掛けたまま時間ばかりが過ぎていました。

インフォマートから『TANOMU』を紹介いただいたのがその時期です。サービス内容を詳しく聞くと当社のニーズにピタリと合致し、コレだ!と思いました。その後、1カ月程度で社内決裁が下り、導入が決まりました。

『TANOMU』の魅力は、当社の販売管理システムとCSVデータで連携でき、受注情報をそのまま流し込める点や、LINEでも受発注業務を完結できる点などいろいろあります。決め手になったのは、お取引先様とLINEでやりとりできるメッセージ機能が充実していた点でした。

また、利用料も許容範囲内で、発注側のお取引先様は費用負担なしで利用できるというコスト面での敷居の低さも導入を後押ししてくれました。

伝票処理の自動化で受注業務が劇的に変わる

【Q】受発注システムの導入効果はいかがですか?

喜屋武商店取り扱い商品例:泡盛各種

導入から約半年が経ち、『TANOMU』に顧客登録している約360店舗のうち、実際に発注いただいているのは70店舗と稼働率はまだまだです。それでも当社の販売管理システムと『TANOMU』をCSVデータで連携させたことで注文入力を自動化し、1日当たり2~3時間は掛かっていた伝票処理の作業時間を30分ほど短縮できました。稼働率20%程度でこの数字ですから、期待どおりの効果が出たと手ごたえを感じています。

また、『TANOMU』経由の受注分は文字が判読しにくい、商品名が不明といったFAX特有の問題もなくなり、受注ミスはありません。受注担当の事務員の立場でいえば、業務は劇的に変わったと言えます。こうした導入効果は、稼働率が高まるほど大きくなるので、事務員からは「もっとお取引先様に広げてください!」とお願いされているほどです(笑)。その言葉からも、導入効果の大きさを実感しています。

営業の立場でいえば、新商品などの案内をLINEのメッセージ機能でリアルタイムに送信できる販促機能が付いている点が心強いです。特に離島のお取引先様とは、情報のやりとりをしなければ関係が疎遠になりがちという課題もあったので、この販促機能は重宝しています。

『TANOMU』に登録するすべてのお取引先様に販促情報を一斉送信したり、ある特定のお取引先様に「ご希望の商品を入荷できました」と直接メッセージを送ったり。どんな地域でも、商品を安定的に届け、市場情報を提供し繁盛店のお手伝いをすることが卸売業の役割です。その点、『TANOMU』を介して幅広いお取引先様とのつながりを保てる点は安心感があります。

DX化の本質を知り、今後は請求書発行の自動化へ

【Q】取引先様へ発注方法の切り替えをどのように広めていきますか?

当社の場合、『TANOMU』を使って発注いただくお取引先様をいかに増やすかが今後の課題のひとつです。ひと通りのお取引先様には『TANOMU』をご案内しましたが、中には「今までのやり方を変えたくない」と抵抗感を持つところもいらっしゃいます。ただ、すでに『TANOMU』を利用しているお取引先様から、「FAX注文の方がよかった」と言われたことは一度もありません。実際に使ってみて、一度その便利さを体感したら、もう元には戻れないという説得力が『TANOMU』にはありますから、稼働先店舗を増やすことにそれほど焦りは感じていません。

当社はDXに取り組み始めてから日が浅いので、勉強しなければならないことが山ほどありますし、課題も山積しています。ただ、『TANOMU』を稼働させ、インフォマート主催のDXの勉強会にも参加するなかで、業務効率がいかに重要なのかを知ることができました。企業努力によって売り上げを伸ばすこと、利益率を向上させることはもちろん大切ですが、それには時間が掛かります。しかし、テクノロジーを活用した業務効率化は、やる気さえあればすぐに取り組め、しかも即効性があります。まだ道半ばではありますが、『TANOMU』を導入したことでそのことを実感しました。

現在は受注や伝票発行だけでなく、請求書発行の自動化も検討しています。引き続き、取引先様はもちろん、社員の業務負荷を軽減するためのDXを推し進めていきたいと思います。 

有限会社喜屋武商店

設立:1982年10月(創業1955年3月)
事業内容:酒類卸
代表者:代表取締役 喜屋武善範
本社所在地:沖縄県那覇市前島3丁目4番16号
公式ホームページ:https://www.e-awamori.co.jp/

 

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