「張り紙の反響は大きく、賛否両論を巻き起こしましたが、あれ一枚でたくさんの方に店を知ってもらえました。すべてのお客様に気に入られようとすると、誰からも気に入ってもらえません。私達は、感覚やセンスが合うお客様に、より楽しんでいただきたいのです」
個人店の特徴を生かして共感できるお客の満足度を上げる
コンロ家は当初から若い客層をターゲットにしていたわけではないという。むしろ、30~50代でアッパー層の男性を想定していた。
「でも、そういったお客様にとってはコンセプトが過剰すぎて、伝わらなかったんですね。むしろ細かい“くすぐり”を全部拾って面白がる感性は、若い世代の方が敏感でした。
今は 20~30代の男性サラリーマン6割、残りが女性や年齢が高くても感性が若いお客様です。この世代のお客様はSNSをうまく使いこなす拡散力があり、はまってもらえました」
面白いアイデアは従業員からも広く募り、会議で考えることもある。決して売上に直結するわけではないが、十人十色のアイデアが、会社全体の表現力を上げていく。その際、ブレーキをかけないことが肝心だという。
「突っ走れるのが個人店の強みだと思います。チェーン店なら特に過激なアイデアに対して“お客様がどう思うか”を気にしてブレーキをかけてしまいがちです。でも賛否両論はあって当然で、批判されることは失敗ではありません。
怖いのは、店を世の中に知ってもらえないことのほうです。良くも悪くも評価されることで店ははじめて価値が出ます」
万人に受けることは考えない。好き嫌いをはっきりさせることで“好き”にはまる客層をファン化させてきたコンロ家。今後は別業態での展開も考えているという。
「ネオ大衆酒場やワインの飲み放題も、今は目新しいですが10年先はどうでしょう。常に新しいことを考えていきたいです。面白さや居酒屋業態にもこだわりません。お客様が行ってみたい、知り合いを連れて行きたいと思う店を作っていこうと思っています」
大衆和牛酒場コンロ家~霜降り和牛鍋と神戸牛ホルモン鉄板焼(株式会社頼富商會)
住所:東京都渋谷区渋谷2丁目6-8 ST青山 1F
電話:03-6427-2718(店舗)
お話:蒲池章一郎代表取締役副社長
公式HP:なし|大衆和牛酒場 コンロ家 渋谷店(食べログ)