20年来の社員もいますし、勤続10年以上の子もたくさんいるのが弊社の強みで血肉となっているところです。
「居酒屋甲子園」優勝経験者が考える、日本一のチーム作り
【Q】よくアルバイトが長続きしないのが、飲食店の悩みだといわれています
よく、今の若い子たちは情熱がない、すぐ辞めるといわれますが、彼らは自分のやりたい事とやりたくない事がはっきりしているだけなんです。
楽しくないことをやれと命令されたら、辞めてしまう一方で、自分が興味のあることには非常に能力が高い。ラテアートをやりたいとかソムリエになりたいという目標さえあれば、仕事のオン・オフなく没頭して動画を調べたり、練習したりしてあっという間に上達していきます。
だから飲食の仕事は楽しい、好きだと思ってもらえるように教育する側は、仕事内容だけではなくチーム作りや人間関係、仕事の与え方も考える必要があると思っています。
【Q】楽しいと思ってもらえるよう、どのように心がけていますか?
たとえば、新人アルバイトも洗い場からではなく、最初からホールでお客様に接してもらい「お皿下げるとき、“お味いかがでしたか?”って一言きいてごらん」と勧めます。
緊張している中でお客様から「おいしかったよ、ありがとう」とほめられたり感謝されたりする経験をすれば、モチベーションも上がるでしょう。
そして仕事が終わったあとに感想をきいてみると、「楽しかった」「疲れました」といろんな答えが返ってきます。一人ひとりの個性をみて、なるべくその子にあった仕事を与えてあげるのも大事なことです。
あるスタッフで、もともといた別の飲食店では、職場の仲間たちとうまく人間関係が築けずに、ホールに出させてもらえなかったという子がいます。入社スピーチでは、ずっと洗い場担当で、もう接客業を辞めようと思っていたと涙ながらに語ってくれました。
でも今やホールスタッフの中でお客様からの一番の人気者です。「あの子いいね、元気があって」「ノリが良くてすごいね」と口々にほめていただき、彼女もすごく生き生きと仕事をしています。それは、うちで何か教育したわけではありません。最初から素晴らしいものを持っていて、以前はうまく発揮できなかった特性を生かせているということだと思います。
【Q】個人の能力を生かすには、チームワークもポイントになりますか?
とても大事です。働いていてイヤだなと感じるのは、先輩に無視されたとか、がんばっているのに見てもらえないといったことではないでしょうか。
チームの一員として承認しているよと、名前でちゃんと呼ぶ、挨拶や返事をしっかりするということを、営業中のコミュニケーションでも、心がけています。