手づかみの抵抗感をなくして日本でもヒット
「ダンシングクラブはシンガポールで生まれたシーフードレストランです。3段階から辛さを選べるスパイシーなシグニチャー・ソースを、茹で上げたカニやエビや野菜などによく揉み込みます。さらにそれを大人数でも食べやすいよう、皿ではなくテーブルのシートの上に大胆にサーブします。そして手掴みで殻などを割りながら食べていただきます」
サラダやコロッケといったサイドメニューも豪快に手で食べる。当時の日本では、まだ“手掴み”で食事できる店は珍しく、手掴みに挑戦はしてみたいけど、やはりちょっと…と抵抗感を示すお客も少なからずいたという。
「手で食べる事を全面に出した業態ですから、いかにお客様の心理的なハードルをさげるかそこに一番気を使いました。まず考えたのは衛生面の確保です。大切なのは基本ですが手洗いの徹底ですね。これはお客様を席にお通しして、最初にお願いしています。
また一般的に手洗い場というと、フロアの端に設置するものですが、ダンシングクラブではあえてスポットライトがあたる、フロアの中央に設置しています。こうすることでお客様は手が汚れたとき、いつでも手を洗えるという安心感を得られます」