「みなさん、はじめは一瞬戸惑った表情をされますが、店の中にいると、だんだんカニのカチューシャをつけていないほうが不自然に思えてくるから不思議です。テーマパークなどに行くと、キャラクターの帽子をつけていることが自然になるのと近いかもしれません」
また店内の壁、ペーパー、エプロンなども、カニのロゴづくし。こうすることで、どこで写真を撮っても、いまダンシングクラブにいるということが自然と分かるようになっている。
「店側が情報発信をする場合、料理の雰囲気は伝えられても、店の楽しさを伝えるには限界があります。やはり一般の方が撮った写真に勝るものはないと考えます。エンタメの魅力を伝えるのは口コミが重要です。店側はいかに人に紹介したくなるお店にするのかを考え、あとはお客様が自然に広げてくれたらいいと思っています」
料理のクオリティの高さとエンターテイメント性、二本柱を守り続ける
「ダンシングクラブは、食べ方やエンターテイメントの部分について注目されがちですが、やはり本質はレストランです。シーフードが美味しくなければ、いかにエンターテイメントに力を入れても、店に価値は生まれてきません」
入れ替わりの激しい飲食業界において、素材が良いだけではすぐに飽きられてしまう。ダンシングクラブではリピーターの方が何度来ても楽しめるよう、2か月に1度のペースでグランドメニューを見直すという。また特定の漁場であがった海鮮を、”道産子うまいっしょコンボ”などひとつにまとめて提供するなど、ご当地メニューの開発にも余念がない。しかもこれらのアイデアはトップダウン方式で指示がくるわけではなく、各店舗が意見を出し合い、競うようにメニューとして採用されていくそうだ。
最後に、今後の展開について伺った。
「ダンシングクラブは東京・大阪・福岡の3店舗のみですが、その理由は非日常感が大切だからです。いまの所同じ地域への店舗展開は考えていません。例えば東京にダンシングクラブの2店舗目は必要ないと考えます。新たに出店をするとしたら、今まで出店していないエリアで、やはり都市部になると思います。ある程度の広さがないとこの世界観を出せないのと、その広さを維持できる集客が見込めないとならないからです」
今まさに次の出店場所を吟味している最中という、ダンシングクラブ。単なるレストランに留まらず、料理・エンターテイメントの両輪で総合的に戦略を立てる同店の人気は続きそうだ。
ダンシングクラブ東京(株式会社ミールワークス)
住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-37-12 新宿NOWAビル2F
電話:03-6380-5151
お話:ダンシングクラブ総括マネージャー 若林裕様
公式HP:http://www.dancingcrab.jp