繁盛店を目指すのなら、繁盛店から学べ!
【Q】起業されるまでは、何をされていたのでしょうか?
飲食企業に就職して現場を経験した後、本社に戻って商品開発や商品企画を担当していました。僕は昔から算数が好きだったんで、料理を作るよりも、売上やコストを計算しているほうが性に合っていたようです。
【Q】当時の経験で特に役立っていることはなんでしょう?
本当に色々なことが今に活かされていますが、一番は繁盛店をリサーチして歩いた経験です。週1回は、全国の様々な繁盛店を食べ歩いていました。そこで学んだ“成功の法則”のようなものが、今の事業を支えていると思います。たまに運が重なってできた繁盛店もありますが、これはマネできるものではありません。意図的にヒットを狙うには、メニューの構成、原価、店の雰囲気など、考えなければいけないことはたくさんあります。
原価率の高いサービス商品で集客をかける
【Q】起業されたとき、なぜ焼き鳥業態だったのですか?
1店舗目だからこそ、失敗は許されません。焼き鳥というのは、オーソドックスな業態で、リスクヘッジができるジャンルです。ただ、普通の焼き鳥屋では勝てないので、他店との差別化には力を入れました。
姫路市は、約54万人の人口を抱える中規模の都市です。駅前にはチェーン店だけでなく、老舗の個人飲食店も多くあります。ただ、個人店は外から店内の様子が見えないことが多くて、新規顧客は入りづらかったんですよ。そしたらたまたま交差点の角の物件が売りに出されていたのを目にして、「これを全部ビニールシートで囲ったら、店内の活気が見えて入りやすいだろうな」と思って、その立地条件を有効活用させてもらいました。当時の姫路には、ビニールシートを使ったお店がなかったので、目新しさもありましたしね。
あとは、メインの焼き鳥です。一般的なお店では、ひと串の肉の量は35g~45gくらいです。でもウチは、約1.5倍の60g程度にして、炭火でじっくりと焼き、値段は100円で統一しました。中途半端な商品だとお客様の記憶に残りませんからね。圧倒的な価値を出して、目的を持って来店してもらおうという考えです。
【Q】でも、それだと利益面が厳しくないですか?
もちろん、それだけなら厳しいですよ。だって一本100円で売って、儲けが30円か40円だけでしょう(笑)。お客さんは焼き鳥を10本食べて、ビールを2杯飲んでも、1800円かそれくらいです。原価は70%くらいになりますし、串を打つ人件費もかかっているので、無理です(笑)。