「お客さまは、その日の気分でトッピングの組み合わせを変えながら、楽しまれています。また、気に入ったトッピングは写真に撮って、インスタグラムやその他のSNSに『自分のお気に入りのピッツァ』として投稿していただいているので、自然と話題作りにも役立っています」
トッピングを注文しやすいよう、価格面でも工夫がなされている。5種類あるベースピッツァの価格は、1,000円未満に抑えられているものが多い。
「ベースピッツァの価格が1,000円未満と以上では、トッピングに対する心理的なハードルが変わってきます。また、ベースに2~3品のトッピングを注文していただき、ドリンクも注文頂いても2,000円以内に収まる様に価格を調整しています」
より高級志向に進化させたブランドイメージ
ファッションビル経営が主体の『ルミネ』が、飲食店を運営するのには、どのような狙いがあったのだろうか。
「ひと言でいうと、この800°ディグリーズの展開に新たなマーケットの可能性を感じたからです。ルミネは飲食店経営が基軸の会社ではありません。ですから新事業を始めるに当たっては、単に飲食店で売上をあげる以上に、新しいマーケットの開拓や創出に重きを置きました」
異業種からの飲食業進出とはいえ、これまでビルテナントに飲食店を受け入れてきたルミネ。そこで培った『飲食店を見る目』は確かだ。
「800°ディグリーズが狙ったのは、回転率の高いピッツァという商材でありながら、料理や空間に高級感があり高い顧客満足を生み出せる業態です。私たちはこれを『プレミアムファストカジュアルレストラン』と呼んでいます。これまで日本では浸透していなかったコンセプトですが、今、少しずつ話題になってきています」
よりプレミアム感を高めるため、内装も元のブランドイメージを踏襲しながら、日本向けの改良が加えられている。店内の配色は黒と白のモノトーンでアメリカ本国と同じだが、テーブルやカウンターに使う素材は人口大理石から、天然大理石に変更されている。またソファも張地り地の質感や色にこだわり、クオリティとしては別物と言える出来栄えだ。