「接客が手薄になると思われがちですが、むしろその反対ですね。ドリンクのオペレーションを削減した分、少人数であってもホールスタッフの接客を厚くできています。例えば、殻付きでご提供しているカキも、殻剥きに慣れるまではスタッフがお手伝いいたします。そして、網焼きの食材もベスト焼き加減でお召し上がりいただけるよう、スタッフがアドバイスを行っています。
また、スタッフが各テーブルを回って歩く間、駅弁販売のようにオススメ商品を入れた箱を持って、食材の説明をします。お客様は店側が思っているほどメニューをしっかりと見ていません。例えば、産地直送のネギがあれば、売り歩きながら産地の情報や、味、食べ方を伝えると“そんなものあったのか、ひとつもらおう”と、追加の注文をいただけるような仕組みになっています」
店員が直接お客様に声を掛けることで、コミュニケーションも生まれ、売り上げも向上する。一石二鳥のオペレーションである。
居酒屋にとって、お酒を扱わないという選択肢はありえるか
「かき小屋新橋店での『ドリンク持ち込みサービス』の利用率は、約40~50%程度。まだまだ普通に飲み物を頼まれる方も多いですが、我々はこのサービスの知名度がもっと上がり、持ち込みの比率が増えて欲しいと考えています。お客様の中には『申し訳ないね』と、恐る恐るお持ち込みされる方もいらっしゃいますが、『遠慮せずどんどん持ってきてください』と明るくお声がけしています。仮に残ってしまっても常温保存が可能であれば預かりもいたしますし、今後も気持よくお持ち込みいただけるような雰囲気づくりが重要だと考えています」
「かき小屋」が始めた持ち込みの仕組みは、料金面、オペレーション面、サービス面でも今までの飲食店の常識を打ち破る新しい発想だ。売上の比率がアルコール類に強く依存する店では、導入が難しいかもしれないが、『肉』や『魚』などメインの食材がある、レストランであればどうだろうか?このドリンク持込自由のスタイルは今後、新たなモデルとして定着する可能性を秘めているのかもしれない。
かき小屋 新橋店(株式会社ジャックポットプランニング)
住所:〒100-0011 東京都千代田区内幸町1-6-1
電話:03-6205-4328
お話:かき小屋プロジェクトマネージャー新名健二様、新橋店店長 新井幹浩様
公式HP:https://www.jack-pot.co.jp/brand/kakigoya-shinbashi/