アルバイト先で学んだ、人を幸せにする飲食業の魅力
【Q】“食”業の道へ入られた経緯を教えてください
元々、学生時代に珈琲自家焙煎店でアルバイトをしていたこともあり、飲食業へ思い入れがありました。大学を卒業して機械メーカーに就職したのですが、やはりどこか物足りなくて、3年で退職して、以前働いていた店に社員として戻りました。
なぜその店に戻ったのかといえば、マスターへの憧れが強かったからですね。
とにかくお客さまひとりひとりを大切にする人で。例えば、電話で常連の方が名前を名乗らなくても、「声だけで分かるようにならなあかん」と。最初は上手くできませんでしたが、そのうち私も自然にできるようになりました(笑)。
あとは、食材を納入してくれる業者さんの体調が悪そうだったら、「ちょっと休んで行き。独身やし、ロクに食べてへんやろ」と言いながら、サンドイッチとコーヒーを出してあげたり。
そういう細かい気遣いを見て、「こういう人になりたいなぁ」と思っていました。
【Q】飲食の仕事に戻られて、良かったなと感じる瞬間はなんですか?
人が幸せそうにしているのを、改めて間近で見られることです。『食』を媒介に人が集まって、その幸せが広がっていくことの素晴らしさを実感できました。そして、こういう幸せな場所をもっと増やしていきたいというのが、私の経営者としてのルーツです。