各ランクの改定後最低賃金額と都道府県の目安
全都道府県における改定後の最低賃金時間額の目安は以下の通りである。目安通りの引き上げが地方最低賃金審議会で決定された場合、各都道府県の新たな最低賃金額は以下のように推移する。
| ランク | 目安引き上げ額(引き上げ率) | 現行最低賃金額(参考) | 改定後の最低賃金目安額 | 対象都道府県(全47都道府県) |
|---|---|---|---|---|
| Aランク | 54円(4.5%) | 1,140円~1,226円 | 1,194円~1,280円 | 埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府 |
| Bランク | 56円(5.2%) | 1,033円~1,122円 | 1,089円~1,178円 | 北海道、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、福岡県 |
| Cランク | 56円(5.4%) | 1,023円~1,035円 | 1,079円~1,091円 | 青森県、岩手県、秋田県、山形県、鳥取県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
今回の改定により、最高額の東京都1,280円と、最低額1,079円となる沖縄県や宮崎県などの地域の格差は縮小する。地方の最低時給が底上げされることで、地方からの労働力流出の抑制が期待される。その一方で、地方の中小零細企業にとっては実質的な労働コストの上昇となる。
最低賃金が上昇した背景
最低賃金が上昇する背景には、法定3要素におけるデータ動向がある。食料物価が平均4.3%上昇し、低所得世帯のエンゲル係数が27.0%に達するなど、労働者の生計費負担は大きい。また、今年の春季労使交渉では全体で5.01%、有期・短時間労働者で6.18%の時給引き上げが実現し、30人未満の小規模企業でも3.0%上昇するなど賃金相場が上昇している。一方で、中小企業の業況判断DIはマイナス18.7に低下し、物価高倒産が上半期で最多の556件に達するなど、人件費負担の増加に対する慎重な見方も強い。
最低賃金が1,000円台後半から1,200円超の時代へシフトする中、企業は労務費の適切な価格転嫁と、助成金などを活用したデジタル化や省力化投資を並行して進める必要がある。地方審議会の最終決定額と10月以降の発効時期を正確に把握し、経営基盤の強化に向けた早期の準備が不可欠だ。
[参考]
厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」











