ローカルブランディングを実現する、キープ・ウィルダイニングの現場サポート術

飲食・宿泊2016.06.07

ローカルブランディングを実現する、キープ・ウィルダイニングの現場サポート術

2016.06.07

ローカルブランディングを実現する、キープ・ウィルダイニングの現場サポート術

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東京都町田市は、JRと小田急線が走り、東京都心へは40分、横浜方面にも30分でアクセスできる場所に位置する。1960年代以降、ベッドタウンとして発展を遂げ、商業施設や大学もたくさんあるが、認知度や地域のブランディングという観点からは、まだ発展途上というイメージもある。

そんな町田と周辺エリアを活性化するために、個性ある取り組みを行っているのが、株式会社キープ・ウィルダイニングだ。「ローカルブランディング」のビジョンのもと、町田・相模原エリアを中心に27店舗の飲食店を展開し、地元生産者やアーティストと組んだ様々な活動も行っている。

今回は起業のきっかけや、ビジョンを実現するための教育制度、現場のインフラ整備などについて、代表取締役社長・保志真人氏と専務取締役・長谷部信樹氏にお話を伺った。

目次

おいしい話を断ってでも…町田・相模原にこだわる理由

代表取締役社長・保志真人氏

キープ・ウィルダイニングのはじまりは、2004年のこと。経営者というより、地元を愛するひとりの無邪気な青年の思いがベースになっている。

「町田は駅周辺にお店も多く、ローカル駅の人も集まってくるので、とても活気がある街です。ただ、ナショナルチェーンばかりで、都内にあるようなお洒落な店や個性的な店があまりない。地元で済ませたくても、結局は都心に出ないといけないことが多いんです」(保志社長)

若い頃は女性とのデートで都心まで足を延ばし、最後におしゃれなバーでいい雰囲気を作っても、終電で帰らないといけなかった。笑いながら話すそんなエピソードもきっかけの1つだ。

「わざわざ都心に出なくていいようにしたい、地元をもっと楽しい街にしたい、というのがはじまりでした」(保志社長)

同社が運営する町田の「ZERO ONE CAFE」

起業後は、町田・相模原を中心に、カフェ、ダイニング、居酒屋など、「自分が地元にほしい店」を作り続けてきた保志社長。事業が軌道に乗った頃、のちの経営方針を大きく左右する出来事があったという。

「4年ほど前に、東京の麻布でブライダル関連のお話をいただいたんです。投資額も少なく、当時の事業規模が倍になるような素晴らしいお話でした。最初は受けるつもりで準備を進めていたのですが、どこか情熱を注げなかった。自分たちを育ててくれたのは地元のお客様なのに、顔も見えない街の人たちのために全力を尽くせないな、と思ったんです。それで出店を断ったら、完全に町田・相模原エリアでやっていこうと腹が決まって。この街の問題を解決したいとか、もっと盛り上げたい、みたいな気持ちが強くなったんです」(保志社長)

あらためて進むべき道を確かめた保志社長は、『マチサガ』(町田・相模原エリアを指す造語)という魅力あふれるエリアへと昇華させる「ローカルブランディング」をまい進していく。


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