POSレジとキャッシュレジスターの違い
飲食店や小売店などで、来店客との金銭のやり取りや売上管理に使われるレジスターには、大きく分けると2つの種類がある。ひとつ目は、キャッシュレジスターとも呼ばれるいわゆる「レジ」。ふたつ目は「POSレジ」だ。それでは、レジとPOSレジの違いはどこにあるのだろうか。
「レジは伝票を見ながら売上げを入力することで、一日の売上げを記録することができます。しかし、どの商品がいつ、どういった客層に売れたのかといったデータを集計する機能はありません。
対してPOSレジは、名前の通り『POS』の機能がついています。POSとは『Point Of Sale』の略で、日本語では『販売時点情報管理』と言います。商品が販売された時点で単品別の売り上げはもちろん、時間帯、客層といったデータをリアルタイムで集計できるのが特徴です」
そのデータを利用し、売上分析の手法の一つであるABC分析なども容易に行えるほか、あらゆる角度から事業展開の指標となるデータを分析することができるという。
「例えば、どのメニューが、どの時間帯にどんな客層から注文されているかが見えるので、新メニューの開発やリニューアルに役立てることができます」
店舗数が多いほど大きいPOSレジの導入効果
また人件費などの固定費を分析する際にも役立つという。
「飲食業界の人手不足が叫ばれるなか、適正な人員配置を考える上で、時間あたりの集客数のデータ分析は重要です。特に多店舗を展開する中で、無駄を省き、改善点を探るためには、この分析は欠かせません」
店舗数がどれくらいになると、POSレジの効果が発揮されるのだろうか。
「飲食業界では、10店舗を超えてくると本部の目が行き届かなくなると言われています。店舗ごとに集められるデータが膨大になり、その数字だけでは店舗の運営が見えづらくなったり、出店先が遠隔地になれば出向く時間も限られたりします。そういった際にPOSレジを導入することで、本部側でリアルタイムに売上げなどの確認ができ、各店舗の把握が可能になります。その重要性に気づいておられるところは、5店舗前後から導入されていますね」
多店舗・多業態で経営している企業にとって重要なのは、データ分析のしやすさだ。店舗ごとにデータ形式が違うなど、集計や分析に手間がかかることがあっては困る。
「複数の業態を展開している飲食店の場合、業態によって使いやすいPOSレジが異なることがあります。そのため弊社では、キーボードやレシート用プリンターを内蔵する一体型モデルやタッチ式のフラットパネルタイプなど、複数の端末(ハードウェア)を用意しています。ただ、使用するソフトウェアはどれも同じものです。マルチハードという考え方で、端末を使い分けた際でも、ソフトウェアが共通なので、同じフォーマットで各種データを集計することができ、本部での一括管理が容易にできます。
さらに、弊社のシステムの特徴として、膨大なデータから経営者が欲しいと思うデータに対して、必要な項目を加えるなど柔軟にカスタマイズすることができます。つまり、システムをチェーンの運用に合った形で導入することができるのです」
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