一方、海外ブランドは、ブランドが確立していて足かせがある分、ブレることがありません。素晴らしいブランドを持って来られれば、後はスタッフなどのサービスなどを高めながらそのブランドを磨くという、私の得意分野で勝負ができるんです。ですから海外ブランドを日本に持ってきて、すみやかに日本で展開するという戦略が生まれたんですね。
上場廃止をきっかけに自分達らしさを取り戻した
【Q】2010年に上場を廃止されています。これはなぜですか?
実は2008年に経営拡大を狙って10億の投資をしたのですが、そのタイミングでリーマンショックがきました。新店はオープンしたけど立ち上がらないし、既存店の売り上げも底へ向かって落ちていくし、ものすごい勢いで業績が悪くなりました。その時につくづく思ったわけです。「そもそもうちの会社は上場に向いてない」と。
株式会社というのは、中期的に拡大し続ける計画を求められます。しかし、我々は居抜き店舗をどんどん買って右肩上がりに出店数を伸ばし続ける、というやり方ではありません。
ひとつの店を作ったら、すぐには黒字にはならないけど、5年10年と大事に育てていくことで、他には真似できないブランド、売り上げ、利益を作りあげていく。それがワンダーテーブルらしさなわけです。だから、上場を廃止しようということになり、2010年にようやくそれが認められました。
結果的にはそれで良かったと思っています。僕は2012年に社長になったわけですが、2012年、2013年と増収増益となり3ヶ年連続で最高益を更新することができましたから。
正しい自分本位が企業を成長させ、社会貢献につながる
【Q】経営で大切にしていることはなんですか。
当社の経営哲学のひとつに「バリューズ」というものがあります。「バリューズ」では、「1、自分を大事にする。2、仲間を大事にする。3、お客様を大事にする。4、社会を大事にする」ということを掲げています。
僕は「自分、仲間、お客様、社会」の価値は同じだと思っています。ただし、順番はこの順でないといけない。例えば、「お客様が大事」と言っていながらスタッフ同士の仲が悪かったら、お客様を喜ばせることはできません。だから、僕たちはまず自分というものをしっかり持って仕事をしようと。