コロナ5類移行から半年。外食上場企業の2023年四半期決算まとめ

最新ニュース2023.12.29

コロナ5類移行から半年。外食上場企業の2023年四半期決算まとめ

2023.12.29

コロナ5類移行から半年。外食上場企業の2023年四半期決算まとめ

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新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから半年が経ち、外食業界に活気が戻ってきている。実際に飲食店を経営する企業の売上にも影響が出ているようだ。居酒屋、ファミレス、ファーストフードなどの外食系上場企業が発表している直近の四半期決算をもとに今後の動向を見ていこう。

目次

2023年の四半期決算

居酒屋

企業名四半期決算の売上、前期比(%)当期の要因今後の動向
コロワイド1180億円(113%)
※2019年同期1201億円
・郊外・ロードサイド中心の出店
・経年劣化した店舗の改装やリロケーション、業態転換
・人気アニメ、VTuber、タレント起用PR
・8月にグループ過去最大規模のビール祭り開催
・物流2024年問題対応で配送拠点を全国16拠点から13拠点へ集約
・給食事業の運営受託拡大、病院や介護施設への参入
・ヤマト運輸のネットワークを活用した物流スキームの運用
・自社製造の大豆ミート製品、陸上養殖魚の使用拡大
・農業生産法人への資本参加
ワタミ403億円(103%)
※2019年同期454億円
・居酒屋、焼肉、テイクアウト・デリバリー業態など複数業態展開と成長基盤の整備
・宅配需要減少
・より強固な収益基盤の構築
・赤字から業績回復・黒字化
・森林再生事業で管理面積を1,000haへ拡大
・ワインの醸造
DDグループ182億円(122%)
※2019年同期292億円
・不採算店舗の解消
・業態変更で客層開拓
・Bリーグのパブリックビューイング開催
・ビリヤード、ダーツ大会開催
・インターネットカフェ業態でダーツを楽しめるエリア改装
・国内消費・インバウンド需要を着実に捉え、重点施策の推進に取り組む
串カツ田中HD103億円(131%)
※2019年同期74億円
・福岡の直営8店舗をフランチャイズオーナーへ譲渡
・直営3店舗を追加で事業譲渡
・店舗運営の強化
・新商品の開発
・物流の改善
・マーケティングなどを通じた事業ブランドの価値向上
鳥貴族HD96億円(134%)
※2019年同期85億円
・TORIKIBURGERを関西のフードコートに出店
・関東・東海・関西以外に、福岡、沖縄、熊本、徳島に新規出店
・トリキアプリが42万ダウンロード
・関東・東海・関西以外の新たなエリアへの出店

居酒屋業態が主な企業では、和民、DDがコロナ禍前を下回った一方、串カツ田中と鳥貴族ではM&Aなどによりコロナ禍前を上回った。

ファミリーレストラン

企業名四半期決算の売上、前期比(%)当期の要因今後の動向
ゼンショーHD4526億円(121%)
※2019年同期3199億円
・すき家
1,317億円(前年同期比21.7%増)、営業利益101億円(同365.2%増)
・はま寿司
938億円(前年同期比17.3%増)、営業利益49億円(同19.1%増)
・ファストフード(なか卯、ロッテリアなど)
994億円(前年同期比30.4%増)、営業利益50億円(同22.1%増)
・レストラン(ココス、ジョリーパスタなど)
89億円(前年同期比25.6%増)、営業利益32億円(前年同期は営業損失11億円)
・北米・英で寿司テイクアウト事業をする企業の持株会社SnowFoxTopcoLimited株式取得(子会社化)
・2026年3月末までに国内外におけるマルチブランド戦略の更なる推進と、その拡大を支える調達・製造・物流機能の強化によるマス・マーチャンダイジング・システムの更なる進化を図るためのM&A
すかいらーくHD2636億円(119%)
※2019年同期2853億円
・ヤングファミリー層、地方ロードサイド店舗、ファミリーダイニング業態(総合型レストラン)の回復
・メニュー改定でミニサイズ商品の導入、アルコール商品訴求で併売率向上
・「半額クーポン祭」や手ごろ価格のメニュー導入で客数増
・ガストで地域別価格導入
・水道光熱費の使用量を約6%、食器費・消耗品費を約13%削減
・従業員に「インフレ手当」(特別一時金)支給
・「八郎そば」「飲茶テラス桃菜」の業態を新規出店や業態転換の新たな業態候補とする
・フロアサービスロボット、POSレジ、セルフレジの導入
・商品レシピの共通化
・深夜営業の再開
・大量購買や長期契約による調達価格のコントロール
・外注品の内製化、製造工程の見直し
・プロモーションの再開
・新規出店の再開
サイゼリヤ1832億円(127%) ※2019年同期1565億円・吉川工場の改装で新商品開発を目的とした設備などの稼働を開始
・SDGsの取り組み(フードロスの削減、省エネ、プラスチックの再利用など)
・島根県、香川県、青森県に1号店出店
・店舗作業、商品、組織の改革
ロイヤルHD1018(137%)
※2019年同期1054億円
・ハイウェイロイヤルの連結子会社化で+87億円増収
・雇用・所得環境の改善による個人消費拡大機運と訪日外国人客の増加で、想定を上回る売上推移
・外食・コントラクト事業で出店再開
(ロイヤルホストは4年ぶり新店
・エンターテインメント施設内レストラン・カフェの運営受託
・次世代型「天丼てんや」を関西でドミナント出店開始
・国際線復調による機内食冷凍アントレの生産拡大
・外食事業で高付加価値戦略(世界各国料理フェアなど)
・生産性向上・既存店の活性化(店内・厨房設備投資によるQSCAと生産性向上)
・コントラクト事業で新規運営受託強化、既存店の活性化
・ホテル事業で宿泊価値・生産性向上(改装、レジャー企画、システム導入など)
・てんやを海外FC店舗出店拡大
・シンガポールにロイヤルホスト直営店出店

ファミレス業態では低価格の販促が一定の効果を得ていた。

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