飲食店の迷惑行為対策。事例から学ぶ、SNS炎上を防ぐ方法

業界ニュース2023.03.22

飲食店の迷惑行為対策。事例から学ぶ、SNS炎上を防ぐ方法

2023.03.22

飲食店の迷惑行為対策。事例から学ぶ、SNS炎上を防ぐ方法

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回転寿司チェーン店を始めとした飲食店などでの迷惑行為がSNSに相次いで拡散され、社会問題になっている。被害にあった飲食店では、警察に被害届を提出し、刑事と民事の両面で対処している。

もし自分が経営する飲食店で迷惑行為が発生したら、どのように対処するべきなのだろうか。最近の事例と、運営側の適切な対処法について見ていこう。

目次

被害にあった飲食店とその後の対応

飲食店で最近発生した迷惑行為について取り上げる。

飲食店名日付SNSの投稿内容その後の対応
スシロー2023年1月・ボックス席に座った高校生が卓上の醤油の刺し口や未使用の湯呑みを舐めまわし、元の位置に戻す動画を投稿、SNS上で拡散・スシロー全店を対象に、テーブルに備え付けの食器や調味料に不安を感じる人に対して、代替品を提供
・テーブル席と提供レーンの間にアクリル板の設置
・刑事・民事の両面から訴訟を起こし対応
はま寿司2023年1月・若い男がレーンに流れてくる2貫寿司のうち、1貫を箸で食べる動画がSNS上に拡散される
・他人が頼んだ寿司にわさびを混入させたと思わせる動画をSNS上に投稿、拡散
・警察に被害届を提出
資(すけ)さんうどん2023年1月・テーブルに置かれた天かすを男が共用のスプーンでほおばる様子が撮影された動画がSNS上で拡散・店内の消毒の実施
・不安を感じる利用客に対しては、天かすと、とろろ昆布を個包装に変更、つぼ漬けは皿に小分けしたものを提供
・警察に被害届を提出
吉野家2023年2月・マイクを除菌するスプレー缶を無断で使用し、ライターで引火させた動画がSNS上で拡散・該当店舗を一時閉店し、紅生姜の廃棄・交換
・カウンターに常設している什器・調味料入れを含む備品の消毒・洗浄を実施
・刑事・民事の両面での厳正な対処を行う方針
カラオケまねきねこ2023年2月・マイクを除菌するスプレー缶を無断で使用し、ライターで引火させた動画がSNS上で拡散・警察に相談済み
カラオケまねきねこ2023年2月・ドリンクバーに設置されているソフトクリーム機器に口を近づけて直接食べた動画がSNS上で拡散・同店舗でのソフトクリームの使用を一旦中止し、点検および洗浄を実施
・全店を対象に、機器の洗浄を行い、衛生管理を徹底するよう通達
スシロー2023年2月・卓上の甘だれの容器に醤油を注いだ動画がSNS上で拡散・スシロー全店を対象に、テーブルに備え付けの食器や調味料に不安を感じる人に対して、代替品を提供
・テーブル席と提供レーンの間にアクリル板の設置
・刑事・民事の両面から訴訟を起こし対応。

 

以上のように回転寿司チェーンをはじめとした、飲食店での迷惑行為がSNS上に度々投稿され、飲食店側はその度に対応に追われている。特にスシローでは、一時期168億円もの損失を受けたとも言われており、迷惑客の軽率な行動により経営に甚大な影響が見られている。

飲食店の迷惑行為への対策

飲食店では具体的にどのような対策を取ったら良いのだろうか。3つに分けて解説する。

飲食店のシステム変更を検討する

まずは、再発防止のための仕組みの変更やシステム導入を検討しよう。たとえば、相次ぐ迷惑行為を受けて、スシローではオールオーダー制で食品提供を開始し、注文品以外の商品の提供を停止した。また、くら寿司では自動感知する新AIカメラシステムを全店舗に導入し、回転レーンを流れる寿司カバーの不審な開閉を検知すると同社本部でアラートが鳴り、速やかに該当店舗の責任者へ電話連絡が入る形で迷惑行為防止を図っている。

迷惑行為を行った人への対処を進める

迷惑行為が判明した際には、被害届や訴訟を起こすことも加味して警察へ相談しよう。SNSを通じて迷惑行為を発信する行為は法律に触れる可能性が高い。たとえば、回転寿司に唾をつける行為は、業務妨害罪にあたる場合がある。唾が付着した寿司が提供されていることが不特定多数の人に広がることは名誉毀損罪に該当する可能性もある。

迷惑行為に起因する被害は企業側が甚大な被害に遭う可能性が高いため、対応する姿勢を見せることが再発防止と企業の今後のイメージ回復にもつながる。

顧客の安心のための取り組みを急ぐ

迷惑行為が確認された場合、他のお客様の不安を煽らないためにも迷惑行為で引き起こる問題点や現状などを公式の場で公開しよう。迷惑行為があったことを隠してしまうと、その後、SNSなどで情報が拡散された際にお客からの信頼を失うことにつながる。二次被害を防ぐためにも、運営者として実施した対策などを公表することが求められる。

飲食店で相次ぐ迷惑行為が連日報道され、こうした行いは許すべきではないという風潮が強くなっている。自身が運営している店舗で迷惑行為を発見した場合、泣き寝入りせずに警察に届け出を出すなど、毅然とした態度で対応を進めよう。

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