「長い閑散期」を乗り切る!ホテル・旅館の対策事例まとめ~ワーケーションプラン拡充、設備改修など

業界ニュース2022.09.20

「長い閑散期」を乗り切る!ホテル・旅館の対策事例まとめ~ワーケーションプラン拡充、設備改修など

2022.09.20

「長い閑散期」を乗り切る!ホテル・旅館の対策事例まとめ~ワーケーションプラン拡充、設備改修など

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コロナ禍の影響で宿泊業界は大きな打撃を受けることとなり、長い閑散期に悩まされる事業者が続出している。少しずつ回復している宿泊需要だが、完全に戻るまでには時間がかかるため、「ウィズコロナ」の経営方針を考える必要があるだろう。

キーワードとなるのは「オフシーズン」「近場」「密集しない観光地」「自家用車利用」など、感染予防を重視した対策だ。宿泊施設では、コロナ禍でどのような対策を取ってきているのか、事例を見ていこう。

目次

コロナ禍における宿泊業の市場動向

参考:観光庁「宿泊旅行統計調査」一部抜粋

新型コロナウイルスの影響によって、2020年3月以降の宿泊業界はリゾートホテルやシティホテル、ビジネスホテル、旅館など種類を問わず利用件数が大幅に落ち込み、観光や出張を目的とした需要は一時ゼロに近い状態となった。
参考:内閣府「新型コロナウイルス感染症が 宿泊業に与えた影響に関する研究

2020年11月頃にはGoToトラベルで一時的に需要が回復したものの、緊急事態宣言などの影響によって2020年12月には再び下降している。その後の規制緩和に伴い、日本人観光客数の宿泊需要も少しずつ回復傾向に向かってはいるものの、コロナ禍を迎えて減少した外国人観光客の客足は戻らず、依然厳しい状態が続いている

そのため宿泊事業者はウィズコロナを見据えた対策を積極的に行い、新しい需要を掘り起こしていく必要があるだろう。

ホテル・旅館の閑散期への対策事例5選

ここからは実際にホテル・旅館が行った閑散期の対策事例を紹介する。

SORANO HOTEL

SORANO HOTEL(ソラノホテル)では、2022年4月、ホテルをワーケーション利用するビジネスパーソンのニーズに応える「ウェルビーイング・ミーティングプラン」の販売を開始した。

同プランは5~10名規模のグループ利用を前提としており、最低5室以上の利用で割安な宿泊プランを利用できる。パッケージにはスタンダードルームの宿泊料金のほか、10名用ミーティングルームやプロジェクタ&スクリーン一式などのほか、朝食とランチ、ミーティング時のコーヒーブレイクやSORANO SPAの利用権も付属している。

熱川プリンスホテル

東伊豆の熱川プリンスホテルでは、2022年7月、館内施設の一部リニューアルを行い、東伊豆ならではの内容を学べる「カルチャー教室」を創設した。カルチャー教室は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代を見据え、地域交流の場を創出することを目的としている。

リニューアルされたのは中央館1階の 「季の杜(TOKINOMORI)」で、個室風のゆったりとした空間が確保されたダイニングを15ブース設置し、座学やヨガ、料理教室などさまざまな目的での使用が可能となった。

ホテルアラマンダ青山

ホテルアラマンダ青山では、2021年3月、6階と7階の一部客室を新たなデザインにリニューアルした。従来に比べてモダンな雰囲気を目指し、日常に近い心地良い空間を提供することをコンセプトにしている。スタンダードルームのアメニティも、グローバルな人気を獲得している「BALMAIN」の製品に刷新した。

リニューアルオープン時の2021年4月1日~4月28日には、アラマンダ青山のオリジナルワインをプレゼントする「リニューアル記念宿泊プラン」も設定している。

おふろcafe utatane

株式会社温泉道場が運営するおふろcafe utataneでは、2021年6月からリモートワークをしながらサウナを存分に楽しむための「SAUNA WORKER宿泊プラン」を提供した。

「SAUNA WORKER」の靴下またはハンドタオル1点と大塚製薬のカロリーメイト リキッド1本、セルフロウリュ専用アロマオイル3種類に加えて、サウナ利用権と宿泊がセットになっており、サウナとワークスペースの両方を取れるプランとした

セブンハンドレッドクラブ

株式会社セブンハンドレッドでは、2021年7月から2021年9月までの間、グループ会社のゴルフ場であるセブンハンドレッドクラブと、宿泊施設のお丸山ホテルを組み合わせた「ワーケーションプラン」を提供した。

ゴルフ場とホテルのどちらか任意の場所をワークスペースとして利用でき、フットゴルフとお丸山ホテルの温泉、食事が楽しめるプランだ。最寄りの駅からのバス送迎料金も含めた料金設定で、コロナ禍で人が少ないところでワーケーションをしたいニーズに応えられるようにした。

閑散期にできる対策

コロナ禍において、閑散期にできる対策はいくつか考えられる。ここでは、主な2つの対策について解説する。

新たな価値を加えた設備や施設の改修

閑散期のうちに施設のリニューアルをして、繁忙期の集客に備える対策は多くの宿泊業が実施している。

繁忙期の客室が埋まっている状況では、改修工事やメンテナンスをするのは難しい。現在のように、新しい生活様式が求められている中での施設のリニューアルは費用も相まって、尚のこと大掛かりなものになる。

例えば、カードキーや自動チェックインといったITシステムの導入をしたり、施設自体を刷新するようなリノベーションでホテルに新たな価値を加えたりするなど、ウィズコロナ対策だけではなく、アフターコロナでもゲストとホテル双方の利便性を強化することができることに設備投資をするのも、長期的な戦略として良いだろう。

ワーケーション需要の取り込み

旅をしながら仕事をする「ワーケーション」は、テレワークが普及した近年では注目を集めている。

ビジネスパーソンのテレワーク需要を獲得する目的で、ワーケーションや長期宿泊プラン、デイユースの利用プランを設定するなど、「宿泊」にとらわれないプランを打ち出すのも対策のひとつだ。

対策事例を参考に、ウィズコロナを見据えた経営変革を

コロナ禍で落ち込んだ需要が回復するまでにはまだ時間を要すると考えられるため、各事業者が工夫を凝らして閑散期を乗り切る必要がある。

ウィズコロナを見据えた経営方針に加えて、時代の変化にも影響を受けにくい体制づくりを進めていくことが重要だ。

宿泊業従業員の生産性を高める『BtoBプラットフォーム受発注』

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