来るべき食糧危機にそなえる、昆虫食は時代の先取り
現在、世界では全人口75億人の1/4以上、約20億人が1900種以上の昆虫類を食べているという。最も食用にされているのがコガネムシなどの甲虫類(31%)で、毛虫・イモムシといった幼虫(18%)、ハチやアリの仲間(14%)、イナゴ、コオロギなどのバッタ類(13%)、セミやカメムシ類(10%)と続く。また、昆虫ではないクモやサソリなどもまとめて昆虫食と呼ばれている。
FAOの報告書によると、昆虫が有望な食材になり得ると着目したのは、環境面や健康面で多くの利点が考えられるからだという。世界的な人口増加や都市化にともない、動物性たんぱく源の需要が増えている。2030年には世界の人口は90億人になるとみられているが、人口を支えるためには何億頭もの家畜の飼育が必要となり、広大な敷地と大量の飼料が必要となりそこから森林破壊や環境汚染につながるおそれもある。