ブームのカギは導入時の低投資
小池さんによると、10年ほど前からかき氷の専門店が増え始め、ここ数年においてはかなりのペースで増加しているという。
「お店の数がグッと増えたのは、東日本大震災以降ですね。節電でエアコンが使えなかったりする中で涼をとるために、氷や素麺といった冷たいものが好まれたのでしょう。また、2011年の7月にはかき氷マニアとして知られる女優・蒼井優さんの『今日もかき氷』(マガジンハウス)という本が出ています。やはり、人気女優が本を出したことによって注目度が高まったと思います」
翌年、小池さんが代表を務めるかき氷コレクション実行委員会は3軒の専門店と協力して第1回目となる「かき氷コレクション」を開催。店主や氷業界関係者のトークショーなども交えながら、かき氷の普及を図ったという。徐々に広まっていったブームの波。そのカギを握ったのが、導入時にかかるコストの低さだ。
「新規オープンの専門店やメニューとして導入する異業態のお店が増えたのは、初期投資やランニングコストといった費用面で魅力的な商材だったからでしょう。実際、専門店の出店ラッシュももちろんありますが、専門店でない既存のお店がアイドルタイムのメニューとして取り入れる例がとても増えています。夏場の集客に悩まれているお店が、その対策として導入するパターンですね」